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2016/07/31

神奈川トヨタ、地域の消防署員向けにFCVレスキュー講習会を実施

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 神奈川トヨタ自動車(市川英治社長)は7月19日、横浜市都筑区消防職員を対象とした燃料電池自動車(FCV)のレスキュー講習会を都筑消防署で行なった。この講習会は、区内で移動式水素ステーションの開設に伴いFCVが普及しつつあることから、非常時の対応に備えるため、都筑消防署から同社に対し要請があり実施されたもの。


 講習会には、約40名の職員が出席。内容は座学と実写見学の2部構成で、第1部では日本自動車研究所(JARI)・FC・EV研究部 田村陽介氏が、従来のガソリン車と異なるFCVの火災対応について解説した。
 FCVの燃料となる水素は、火災時に水素貯蔵タンクの安全弁の温度が110℃を超えると貯蔵タンクの破裂を防ぐため、貯蔵タンクから放出される。安全弁の向きによって火炎の広がり方の違いや、安全弁作動時の燃焼騒音(126~130dB)による聴覚損傷の可能性もある。安全弁からの噴出を考慮し、火炎規模、熱輻射、燃焼音の検証結果から、レスキュー時の消火作業の安全距離は10mと結論づけた。

(火災時の検証動画などを用いて解説)


 また、第2部では神奈川トヨタ自動車のサービス技術部のスタッフ2名が講師となり、ミライの実車を用いFCVの構造を解説。燃料電池で発生した電気を使いモーターで走るミライには、最大650Vの高電圧が駆動系に流れていることや、水素タンクには常温で最大70MPaの高圧水素ガスが貯蔵されていることを強調して説明した。

 今回の講習会開催にあたり都筑区消防署・小林栄次署長は、「26年度には旭区と泉区にガソリンスタンドと併設タイプの水素ステーションが完成した。今後、FCVが増えていく中、我々としては正しい知識を持って緊急時に対応するため、講習会は非常に有意義なものだ」と述べた。

 (説明を熱心に聞く、都筑区消防職員)

 

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