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2016/12/30

フォーマルなシーンからサーキット走行のようなアグレッシブな走りもこなす レクサス・IS試乗記

osaki
カーアンドレジャーニュース

 秋にマイナーチェンジを実施したレクサス・ISの〝Fスポーツ〟を中心に試乗。スポーティセダンの名に恥じない走りを存分に見せてくれた。

 改めて、マイナーチェンジでの変更点を確認すると、主に、①デザインの進化、②走る楽しさの熟成、③先進安全装備の投入、といったもの。

 レクサス共通のフロントマスク、スピンドルグリルは下部の広がりが強調され、ワイドな印象を高めるとともに、その左右にはブレーキ導風のダクトもあり、高性能モデルであることを静かに主張している。リヤコンビネーションランプは、レンズの中に「L」の造形が幾重にも重なるようなデザインで、立体感を持たせたつくりだ。

 細部までこだわったというのが走る楽しさの熟成だ。サスペンションは、小さな動きでも十分な減衰力を発揮する改良型ショックアブソーバーを採用したほか、構成部品の一部をアルミ製にするなど剛性アップと軽量化を両立させた。さらに、状況に応じてショックアブソーバーの減衰力を自動的に制御するAVS、電気パワーステアリングなどの制御も見直したという。

 先進安全装備では、プリクラッシュセーフティ、レーディパーアチャーアラート、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールの4デバイスをパッケージ化した、レクサスセーフティシステム+(プラス)が標準装備され、安全運転を支援してくれる。

 パワーユニットは、V型6気筒3・5㍑(IS350)と、直列4気筒2・5㍑エンジン+モーターのハイブリッド(IS300h)、直列4気筒2・0㍑ターボ(IS200t)と個性豊か。ハイブリッドのみAWDが設定され、2WD(FR)が中心だ。

左:直列4気筒2・0㍑ターボ(IS200t)、右:直列4気筒2・5㍑エンジン+モーターのハイブリッド(IS300h)

 セダンだと思って乗り込むと、想像以上に運転席が低いことに驚かされた。シートは身体を包み込むようにフィットし、各種アジャストを利用して良好な視界を得ることができる。短時間ではあるが、結果的に三つのパワーユニットを体験することができた。

 200tはターボらしくエンジンの吹き上がりが軽快。シリーズ最小排気量であることを感じさせない力強い走りで、8速ATの変速も滑らか。とはいえ、最もシームレスな滑らかな加速を見せるのは300h。モーターアシストという構造的な違いがあるものの、スポーティな走りと滑らさを見事に両立させた。唯一レギュラーガソリン対応というのもありがたい。

 最強ユニットを積む350は、サーキット走行。遅れ気味のブレーキやステアでも、クルマの姿勢が乱れることがなく、狙ったラインを安定してトレースする。サーキット走行も十分こなせるISのスポーツセダンとしての資質の高さが垣間見られた。

 どのユニットにも共通するのは、コーナーでの安定度の高さ。ゴツゴツとした不快な部分がなくしなやかなで、強靭ともいえる乗り味だ。ドライバーも低めのポジションなので、姿勢が安定する。

 Fスポーツは内外装に専用デザインを採用しているが、これみよがしに高性能を主張するものではなく、あくまでもジェントルに主張。フォーマルなシーンからサーキット走行のようなアグレッシブな走りもこなせる、実に懐の深いモデルといえる。

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