スズキは２月１日、ワゴンタイプの軽乗用車、ワゴンＲ／ワゴンＲスティングレーをフルモデルチェンジして発売した。新型車は、幅広い世代の価値観にこたえる３タイプの外観デザインを採用。さらに、軽量・高剛性の新プラットフォームに、マイルドハイブリッド機構はモーターのみで発進できる〝進化版〟を搭載。これによりクラストップの低燃費、33・４㎞／㍑（ＪＣ08モード）を達成した。また〝軽自動車初〟の安全装備を複数採用し安全性能を充実させた。

■機能性とデザイン性を両立
　サイドビューでは機能性とデザイン性の両立を表現した。前席は広く使えるパーソナルスペース、後席は機能的で使いやすい実用スペースととらえ、ガラスエリアの大きさの違いや、アクセントをつけたＢピラーの形状で〝両立〟を表現した。

　さらに、フロントマスクを中心に３タイプのデザイン──①新定番タイプ（ワゴンＲ　ＦＡ／ハイブリッドＦＸ）、②スタイリッシュタイプ（ワゴンＲ　ハイブリッドＦＺ）、③ストロングタイプ（ワゴンＲスティングレー）──を設定した。

　①新定番タイプは、四角をモチーフとした端正な顔つきで、ホイールアーチを強調するラインで安定感を表現。②スタイリッシュタイプは、横基調の上下２段ヘッドランプやメッキグリルでスポーティさを表現した。③ストロングタイプは、プロジェクター式のＬＥＤヘッドランプに、メッキ加飾とブラックパール塗装のフロントグリル、エアロ形状の前後バンパーなどにより強烈な個性を放つ。

　外観に合わせ内装も３タイプを設定。①新定番はベージュ内装、②スタイリッシュと③ストロングは、ブラックを基調に各部の加飾の違いで個性を表現した。インパネはセンターメーターや横長のインパネカラーパネルにより開放的な視界を確保し、広々とした室内空間を演出した。

■進化したマイルドハイブリッド
　エンジンにモーター機能付き発電機（ＩＳＧ）、リチウムイオン電池からなるマイルドハイブリッドシステムは、ＩＳＧの高出力化と電池の大容量化により、軽自動車初のモーターによるクリープ走行を可能にした。

　これにより、アイドリングストップ後、停車状態でブレーキから足を離すと、モーターのみで走り出し（最長10秒）、その後静かにエンジン始動、時速約１００㎞までの加速時にモーターがエンジンをアシストする（最長30秒）。減速時はそのエネルギーを利用してＩＳＧが効率よく発電し充電。時速約13㎞以下に減速するとモーターの力だけで走行。このシステムで、さらにガソリン消費が抑えられ、燃費向上に貢献した。

　あわせて、エンジンの冷却性能強化、高出力化対応やＣＶＴのギヤ比の最適化も実施した。

　クルマの骨格の部分では、新プラットフォーム、ハーテクトを採用。エンジンルーム前後長を可能な限り縮めることで室内長を約29㎝伸ばし、居住性と積載性も向上させた。

■さまざまな先進安全技術を採用
　安全機能・装備が充実しているのが新型ワゴンＲの特徴。同社軽自動車初のデュアルセンサーブレーキサポート（ＤＳＢＳ）をはじめ、６種類の安全機能を搭載した。

　このうち、ＤＳＢＳは単眼カメラと赤外線レーザーレーダーでクルマや歩行者を捉え、警告やブレーキアシスト、自動ブレーキにより衝突回避、または衝突被害軽減を図る。自動ブレーキは時速約５㎞～約１００㎞（歩行者の場合は～約60㎞）の速度域で作動する。また、ハイビームアシストも、同社軽自動車として初めて採用された機能。ハイビームで走行中にカメラが先行車や対向車のライト、街路灯を検知すると自動的にロービームに切り替える。さらに、軽自動車で初めてヘッドアップディスプレイを標準装備した（一部グレードを除く）。

■さらに高められた利便性
　室内長の延長に加え、前席のヒップポイントの見直しにより乗降性を高めた。Ａピラーのスリム化やリヤクオーターガラスの追加などにより、前方後方とも視界を改善した。

　また、リヤコンビネーションランプをバンパー上に配置したことで、ラゲージルームの開口幅と荷室幅が広がり積載性が向上。後席は前後16㎝のスライド幅を持つほか、ラゲージアンダーボックスの大容量化により、ベビーカー等も立てて積むこともできるようになった。

　室内各所の既存の収納スペースは、容量を拡大し収納性や使い勝手を高めたほか、軽自動車初のアンブレラホルダーを後席ドア両側の内側に採用した。傘についた雨水は車外に排出されるので、濡れたままの傘も収納できる。

　【希望小売価格】［ワゴンＲ］１０７万８９２０円～１２０万２０４０円〈１１７万７２００円～１４７万９６０円〉［ワゴンＲスティングレー］１２９万３８４０円～１４１万４８００円〈１４８万８２４０円～１７７万９８４０円〉▽カッコ内はマイルドハイブリッド車▽全グレード４ＷＤあり

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