８年ぶりにフルモデルチェンジされたフォルクスワーゲン（ＶＷ）のコンパクトＳＵＶ「ティグアン」は、ＶＷの新モジュラー戦略「ＭＱＢ」に基づくシャシーやデザインを採用。先代に比べ全長で70㎜、全幅で30㎜増え、今まで以上に堂々としたボディに。サイドに流れるプレスラインと合わせ、ＳＵＶらしい力強いスタイリングを創出した。一方、全高は35㎜低くなり、ワイド＆ローが強調されたプロポーションを実現している。

　充実装備のハイラインには、ＶＷ新モバイルオンラインサービス「カーネット」を採用。音声で地名を入れればグーグルアースと連動してナビで道案内ができ、最寄りのガソリンスタンドを価格順で検索、パーキングの空車状況なども確認でき、新しい価値を提供するのも新型ティグアンの特徴だ。

　エンジンは、ＶＷ得意のダウンサイジングユニット、直列４気筒１・４㍑ターボ（最高出力１５０ＰＳ、最大トルク２５０Ｎｍ）を搭載し、これにスムーズな加速と燃費向上に貢献する６速ＤＳＧを組み合わせる。

　立派な体格のボディを１・４㍑ターボでパワー不足が懸念されたが、走り出せばそれも杞憂に終わった。１５００回転から最大トルクを発揮するエンジンは、一般道から高速度域までスムーズな加速をもたらす。ステアリングの応答性も素直なことに加え、ＭＱＢによって車重も１５４０㎏に抑えられているので、想像以上の軽快さと剛性感を両立した走りを味わえた。高速巡航時でのロードノイズや風切り音が低く抑えられているのも好印象だ。

　全長の延長分はホイールベースに反映され、室内の居住性も大きく向上。特に、後席はスライド機構などにより、今まで以上に足元に余裕が増し、大人４名が快適に過ごせる空間を実現している。

　また、ラゲージスペースは通常時６１５㍑あり、後席をすべて倒すと最大１６５５㍑まで拡大可能だ。十分な積載性とカーネットがもたらす利便性で、新時代のコンパクトＳＵＶ像を提案している。

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