トヨタ自動車は２月15日、プリウスＰＨＶをフルモデルチェンジし、全チャネルを通じて発売した。モーターでの走行距離を従来型の２倍超の68・２㎞まで延ばしたほか、充電方法を増やすことで利便性を向上させた。さらに、トヨタ初の11・６インチの縦型大型モニターを持つＴ-コネクトＳＤナビゲーションシステムの採用や、衝突回避支援パッケージのトヨタセーフティセンスＰを全車標準装備するなど、先進機能・安全機能も充実している。

■エモーショナルなスタイリング
　従来型ＰＨＶは、プリウスとスタイリングに大きな違いがみられなかったが、新型ＰＨＶにはフロント＆リヤセクションに専用のスタイリングが与えられた。

　フロントセクションは、透明アクリル樹脂の大型グリルと、４眼ＬＥＤヘッドランプによりシャープな顔立ちとなった。ヘッドランプには対向車を認識するとその部分を遮光し、照射範囲を細やかに制御するアダプティブハイビームシステムを採用した。

　また、リヤセクションではバックドアガラスに二つの膨らみを持つダブルバブルウインドゥや、一本の赤いラインでつながるハイマウントストップランプとリヤコンビネーションにより、一目でＰＨＶとわかるデザインを採用している。また、バックドアはトヨタブランドでは初めてＣＦＲＰ（炭素繊維強化樹脂）が採用され、自在な造形と軽量化を可能にした。

■より遠くへ、力強くなったＥＶ走行
　プラグインハイブリッドシステムは外部充電機能を持つことで、ハイブリッド用電池（リチウムイオン電池）を常にベストの状態に近づけることができ、電気自動車のようにモーターのみでの走行（ＥＶ走行）できるのが大きな特徴。

　新型車はＥＶ走行距離（ＪＣ08モード走行）を68・２㎞まで延ばすとともに、従来よりも力強い加速を実現させた。

　ＥＶ走行距離延長には、大容量のリチウムイオン電池（総電力量８・８kwｈ）を搭載するとともに、プラグインハイブリッドシステムの効率化が大きく貢献している。さらに、低温時のＥＶ走行性能を向上させる駆動用バッテリー専用ヒーターや、世界初のガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコンを採用することで、ＥＶ走行中にエンジンがかかりにくい状況を増やした。

　また、従来の駆動用モーターだけでなく、発電機もモーターとして活用するデュアルモータードライブシステムを採用し、これまで以上に力強いＥＶ走行をもたらした。

　ＥＶ走行距離が68・２㎞までに延びたことで、従来型は〝自宅周辺〟の送迎や買い物、といった使い方が中心だったが、新型車では通勤の片道はＥＶ走行で、といった使い方も可能になる。例え、片道で充電した電気を使い切り、出先で充電ができなくても帰路は〝ＨＶ〟として走行が可能で、ＨＶの場合は37・２㎞／㍑という低燃費（ＪＣ08モード）も実現しているので安心だ。

■充電方法が広がり、もっと使いやすく
　ＰＨＶはハイブリッド用電池をフル充電にすることで性能をいかんなく発揮できる。そのためにも、外部充電のしやすさが重要。新型車では急速充電に対応するようになったほか、専用の配線工事が不要なＡＣ１００／６Ａの普通充電にも対応する。外出先ではトヨタ販売店（約４２００基）や、日本充電サービスの充電スポット（約１万４６００基）で充電することができる。なお、急速充電では約20分で満充電量約80％を充電、普通充電１００Ｖ／６Ａでは約14時間、同２００Ｖ／16Ａでは約２時間20分で満充電となる。

　さらに、量産車では世界初となるソーラー充電システムも採用。太陽光で発電し駐車中は駆動用バッテリーに供給し、最大約６・１㎞／日の走行分の電力を充電できる。

　一方、外部給電機能、ＥＶ給電モードを備え、エンジンを始動せずに家電が利用できるようになった。エンジンで発電するＨＶ給電モードでは、最大１５００Ｗの出力でガソリン満タン状態から２日間程度の電力を供給することが可能になった。災害等による停電時にも心強い機能だ。

■先進機能も充実
　Ｔ-コネクトＳＤナビゲーションシステムとＤＣＭにより、クルマがネットワークに接続することで安全・便利なカーライフをサポートするＴ-コネクト　ＤＣＭパッケージを初度登録より３年間無料で提供。警告灯点灯時、クルマから発信される情報をもとにオペレーターや販売店から適切なアドバイスが可能な「ｅケア」や、クルマから離れた場所で充電状況の確認・操作、エアコン操作、充電ステーションの検索などが可能なＰＨＶ専用スマートフォン向けアプリも提供される。

　【希望小売価格】Ｓ＝３２６万１６００円▽Ｓ〝ナビパッケージ〟＝３６６万６６００円▽Ａ＝３８０万７０００円▽Ａ〝レザーパッケージ〟＝４０６万６２００円▽Ａプレミアム＝４２２万２８００円

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