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2017/05/21

&RV News VANTECH・山形ファクトリー編 最新技術と巧みの技が融合

osaki
カーアンドレジャーニュース

 旅やレジャーに最適なクルマ、RVやキャンピングカーを中心に、旬な情報を発信していく「&RV News」。今回は、キャブコン(キャブコンバージョン)を中心にキャンピングカーを製造するメーカー「VANTECH(バンテック)」の山形ファクトリーを取材し、高い品質に裏打ちされたこだわりの製造工程や、旧施設から3倍の広さになった新しいファクトリー内部を紹介する。

 成長するキャンピングカー市場や増加する需要などに対応するために、バンテックが旧施設から生産拠点を山形ファクトリーに移行したのは昨年の9月のこと。現在、看板モデルである「ZIL(ジル)」シリーズを含むほぼすべてのモデルが、この山形ファクトリーで生産されている。

 新ファクトリーの建物面積は4000㎡超(テニスコート約16面分!)を誇り、その規模や生産設備はキャンピングカー業界において最大級を誇る。また、組み立て、電装品や家具の装着、完成検査、出庫確認などを流れ作業で行い、自動車メーカーの工場のような製造ラインを持っている事も大きな特徴となっている。

 このバンテックを筆頭に、業界をリードする一部キャンピングカーメーカーは、もはや一台ずつ手作りしていく従来のビルダーのイメージとは一線を画す規模と、オートメーション化された設備を整えているのだ。

■機能的で整然とした製造ライン
 生産機能は、旧施設で三つの建屋から構成されていたものを、新ファクトリーでは一つの巨大な建屋に集約。バンテックのコーポレートカラーとも言える白で統一された外観、敷地内の広大なスペースに置かれたベース車両は、周辺の田園風景の中において圧倒的な存在感を放つ。

 製造ラインは、ベース車両とシェル部分の結合からはじまり、4レーンある作業場で電装品や家具の装着、オプション品の装着、完成検査という一連の流れで構成され、各工程には熟練の職人を配置する。

 加えて、電装品を動かす上で不可欠な分電盤やブレーカーをはじめ、数千点のパーツを手がける部品課、木工加工室や塗装ブースを設置。さらに、ボディストライプなどのステッカーを制作する部屋は一定の温度・湿度が保たれ、印刷の大敵であるホコリ対策も万全となっている徹底ぶりだ。

■生産効率だけでなく連携面での相乗効果も
 流れ作業による製造ラインだけでなく、生産機能を集約したメリットは大きい。「バラバラだった生産機能が一つ屋根の下に集まったので部署間での連携もしやすく、作業全体の流れが見えるのが大きい」と効果を語るのは阿部清工場長。さらに、以前はベース車両を留め置く駐車場もクルマで移動しなければならず、車両課の高橋亮リーダーは「雨の日はまず濡れた車両を拭く作業から始まった」と話し、これだけでも作業効率が大きく上がったという。

 また、一新された生産設備や人員の増加で、生産能力の増強も計画中。同社の露木伸也広報課長は「以前は月産30台が限界だったが、新ファクトリーでは今年末までに40~50台生産できる体制を整え、将来的には60台を目指す」と述べる。一方で、生産現場の技術指導を統括する斎藤誠副工場長は「新たに増員した人はまだまだキャンピングカーの製造に慣れていないので、しっかりと指導したい」と気を引き締め、露木課長は「作業の中で非効率な部分もまだあるので、工程や作業スペースの効率化」を今後の課題に挙げた。

 高品質な車両だけでなく、それを生産する現場の施設においても業界をリードするバンテック。購入するとき、車両だけでなく製造現場の取り組みやこだわりにも目を向けてみると、キャンピングカーの違った魅了が見えてくるだろう。

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