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2017/08/17

日本のモーターシーンを牽引してきた内外の名車約100台を展示 オートモビルカウンシル 

osaki
カーアンドレジャーニュース

 往年の名車から最新モデルへと受け継がれるフィロソフィーを語り、歴史に敬意を払いヘリテージ(遺産)を楽しみ、自動車文化を育む──従来日本になかったスタイルのイベントとして昨年より始まった、オートモビルカウンシル2017が8月4日から6日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。日本のモーターシーンを牽引してきた内外の名車約100台が展示され、今なお色褪せない個性で来場者を魅了した。

 国内メーカーではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、SUBARU(スバル)の5社が、外国メーカーではアウディ、ボルボの2社がそれぞれ出展。この他、19社のヘリテージカー販売店から最高のコンディションに整えられた憧れの名車が並んだ(購入も可能)。

■トヨタ──プリウス誕生20年
 自動車の動力源の歴史やプリウスの進化の過程、ハイブリッド技術の未来などを紹介した。歴代プリウスの心臓部、ハイブリッド用電池とパワーコントロールユニットが小型化しつつ性能が向上した進化ぶりや、初代プリウスと現行プリウスPHV、ハイブリッドレース専用車で世界耐久選手権を戦うTS050ハイブリッド、77年東京モーターショーに出展したガスタービンハイブリッド車も展示された。

 さらに、初代プリウスの開発責任者、内山田竹志会長が会場を訪れ「発売後はお客様に育てられた部分が多い」と20年を振り返った。モデルチェンジごとに原価を下げ、初代と現行では、システム原価が4分の1になった。また「ハイブリッド車開発で、私達は電動化技術の全ての要素を持っている。これをコア技術とし将来のクルマ開発をつなげたい」と、ハイブリッド技術のさらなる発展性も示した。

■SUBARU──事故ゼロを目指して60周年
 事故ゼロを目指して60周年をテーマに、スバルの総合安全への取組みを紹介した。また、スバル360とスバル1000というヘリテージモデルに加え、最新の運転支援技術、アイサイトツーリングアシストを標準装備する新型レヴォーグと新型WRX S4も展示された。

 航空機製造を源流に持つスバルは、航空機開発の考え方が車両開発に受け継がれ、スバル360やスバル1000の時代から安全技術を磨き上げ、クルマを構成するすべての要素で安全性を追求する〝総合安全〟という考え方で、総合安全はゼロ次安全、予防安全、走行安全、衝突安全という四つで構成され〝走行安全〟は、①水平対向エンジン、②シンメトリカルAWD、③低重心パッケージ、④グローバルプラットフォーム、⑤アイサイトという五つのコア技術で支えられている。また、衝突安全では国内メーカー初採用となった歩行者保護エアバッグがある。

■マツダ──ロータリーエンジン誕生50周年
 ロータリーエンジン誕生50周年をテーマに、コスモスポーツやサバンナなどロータリーエンジン搭載車を中心に展示。初代ロードスター(NA型)のレストアサービス開始に合わせ、レストアされた初代モデルも展示された。

 1967年、量産化に成功したロータリーエンジンは、繭型のケースの中を三角形のローターが回転することで動力を生み出す。ただ実用化には困難を極め、多くの欧米自動車メーカーも手をこまねいていた。その中、6年間に及ぶ粘り強い研究を続けたマツダが実用化に成功。新エンジンのパイオニアとして、国内外に不動の地位を築いた。その飽くなき挑戦の姿勢は今も同社に息づいている。

 その後、ロータリーエンジンは、世界初の2ローターエンジン「10A」型へ発展。4ローターエンジンを積むレース専用車、マツダ・787Bは1991年に日本車では初めてル・マン24時間レースを制した。

●レストアサービスを開始
 〝永く大切に〟マツダ車を乗り続けられる環境づくりを目的に、レストア事業とパーツ再供給からなるレストアサービスが8月4日に開始した。

 レストア事業は、ユーザーのロードスターを預かり、マツダの車内施設でオリジナルに近い状態にクルマをリフレッシュする。17年年内に受付を開始し、18年初頭よりサービスを開始する予定。

 パーツ再供給は、供給終了となっているNA型の一部のパーツを、オリジナル状態にこだわりソフトトップやタイヤ、ステアリング/シフトノブなど復刻。18年初頭より販売を開始する。

■アウディ──RS5クーペを国内初公開
 現在のアウディの技術、ブランドイメージの中核でもある〝クワトロ〟に焦点を当て、初代アウディ・クワトロとそのラリー仕様車、スポーツクワトロS1、その公認取得用モデルのスポーツクアトロ、その伝統を今日に受け継ぐ、新型RS5クーペが日本で初公開された。

 RS5はA5シリーズのトップモデルとして、アウディスポーツ社が開発。エンジンは先代のV型8気筒4・2㍑からV型6気筒2・9㍑ツインターボ(450PS)に換装。トルクは170Nmアップの600Nmとした。フルタイム4WDのクワトロはもちろん、8速ディプトロニックとの組み合わせで大パワーを確実に路面に伝え、時速0~100㎞加速はわずかに3・9秒という。一方、アウディ独自の燃焼方式(Bサイクル)を採用し、高性能でありながら100㎞走行でガソリン消費8・7㍑(11・5㎞/㍑)と低燃費も両立させた。価格は1257万円。

■ボルボ──ボルボ90周年の歴史とワゴン・エステートの展示
 ボルボ90周年の歴史と240GLワゴン、960SXエステートなど、ワゴン・エステートを展示するとともに、創業90周年記念の特別仕様車「V90 90thアニバーサリーエディション(90台)」を発表した。

 この特別仕様車は、V90 T5モメンタムをベースに、内外装に上級装備を配して質感を高めた。新色のシートカラーに、モメンタムでは設定のないファインナッパレザーのシート。さらには、を搭載し、シートカラーは新色のマルーンブラウンを採用した。

 さらに、室内の開放感を増す、チルトアップ機構付電動パノラマガラスサンルーフ」や、インストルメントパネル上部のウッドパネルなどを採用。足回りには新デザインの18インチアルミホイールを特別装備する。

 ボルボカージャパン・木村隆之社長は「この限定車は、上級装備を備えつつ価格を抑え、誰が乗っても満足できると確信している」と述べた。

 このほか、日産は時代の最先端デザインをテーマに、1935年型ダットサン14型からコンセプトカー、Vモーション2・0へ至る最先端で財を紹介。また、ホンダは新旧モデルを並べ、スーパースポーツカーのNSX系譜を紹介した。

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