メルセデス・ベンツ日本は８月９日、マイナーチェンジを行ったフラッグシップモデル「Ｓクラス」の予約注文を開始した（納車は一部を除き９月上旬から）。今回のマイナーチェンジは内外装デザインのブラッシュアップをはじめ、先進安全技術「インテリジェントドライブ」をさらに進化。通信機能によって利便性を高める装備や、新開発のパワートレーンを導入するなど、６５００点以上の新たな部品を採用する大規模なものとなった。

■安全性と快適性が融合するインテリジェントドライブが進化
　インテリジェントドライブは、レーダーセンサーやステレオマルチパーパスカメラ、超音波センサーにより自車の周囲を監視するシステムを持ち、状況に応じてアクセル、ブレーキステアリングを自動でアシストすることで、ドライバーの負担を軽減する。

　今回、先行車との車間距離を維持する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」は自動再発進機能を新たに備え、停止後30秒以内であればアクセルを踏まなくても自動的に発進するようになった。

　加えて、車線のカーブと先行車両を認識し、車間を維持しながらステアリング操作をアシストする「アクティブステアリングアシスト」も強化。車線が不明瞭な場合や検知できない場合でも、周囲の車両やガードレール等を検知しステアリングアシストを行う。

　さらに、ウインカー操作をすると、行き先の車線に車両がいないことをシステムが確認し、自動で車線を変更する「アクティブレーンチェンジングアシスト」また、緊急時のステアリング操作をアシストする「緊急回避補助システム」、衝突時の衝撃音から乗員の耳を保護する「ＰＲＥ－ＳＡＦＥサウンド」などの新機能を採用し、車両全方位の安全性を高い次元で実現している。

■ドライバーを支援する先進装備の数々
　自動車が通信することにより利便性を向上させる先進的なテレマティクスサービス「メルセデスミーコネクト」を初導入。事故検知時またはＳＯＳボタン押下時、コールセンターが消防に連絡する「24時間緊急通報サービス」などの「安心安全サービス（最長10年間無償）」、メルセデス・ベンツ24時間コンシェルジュが応対する「おもてなしサービス（１年間無償）」を提供する。

　また、スマートフォンで車外からクルマの車庫入れ／車庫出しができる「リモートパーキングアシスト（３年間無償）」もメルセデスで初採用。障害物を回避しながら前後に最大15ｍ動かすことができ、縦列・並列駐車を可能とした。

　さらに、夜間の視認性を向上させるため理想的な配光パターンを毎秒１００回の頻度で解析し、片側84個のＬＥＤを高精度に配光する「マルチビームＬＥＤ」は、今回のマイナーチェンジから時速40㎞以上時に、約６５０ｍ以上の距離を照射する「ウルトラハイビーム」を新たに採用した。

　加えて、快適な乗り心地を実現する「マジックボディコントロール」に、コーナリング時にバイクのライダーのように車体を内側に最大２・65°傾ける「ダイナミックカーブ機能」を追加。乗員に働く横加速度を軽減し、より安定した爽快なコーナリングを実現している。

■高効率を追求した新エンジン
　パワートレーンは、従来設定されていたディーゼルハイブリッドが無くなり、Ｓ４００に搭載される３・０Ｌ Ｖ６ツインターボ、Ｓ５６０ロング／４ＭＡＴＩＣロングは４・０Ｌ　Ｖ８ツインターボ、Ｓ６００ロングには６・０Ｌ　Ｖ12（最高出力５３０ＰＳ／最大トルク８３０Ｎｍ）を採用。このうち３・０Ｌ、４・０Ｌに新エンジンを採用した。

　３・０Ｌ　Ｖ６ツインターボは、高性能直噴システムやカムシャフトアジャスターなどの採用によって最適な燃焼状態を生み出すとともに、摩擦損出の低減技術等で最高出力３６７ＰＳ／最大トルク５００Ｎｍを発揮する。

　可変バルブリフトシステムを持つ４・０Ｌ　Ｖ８ツインターボ（最高出力４６９ＰＳ／最大トルク７００Ｎｍ）は、燃料消費を抑えるため、低負荷走行時に４気筒を休止することでポンピングロスを低減するほか、発火運転を続ける残り４本のシリンダーの動作点を高負荷側にシフトさせることで、総合的な効率を高めた。

　また、ハイパフォーマンスモデルＡＭＧ　Ｓ63ロング／４ＭＡＴＩＣロングは４・０Ｌ　Ｖ８ツインターボ（最高出力６１２ＰＳ／最大トルク９００Ｎｍ）、ＡＭＧ　Ｓ６５ロングには６・０Ｌ　Ｖ12ツインターボ（最高出力６３０ＰＳ／最大トルク１０００Ｎｍ）を搭載する。

　【希望小売価格】
　Ｓ４００＝１１２８万円▽Ｓ５６０ロング＝１６４６万円／４ＭＡＴＩＣロング＝１６８１万円▽Ｓ６００ロング＝２３３１万円▽メルセデスＡＭＧ　Ｓ63ロング＝２４５１万円▽同４ＭＡＴＩＣ＋＝２４９１万円▽同Ｓ65ロング＝３３２３万円

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