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2018/02/21

トヨタ、世界初の新型磁石「省ネオジム耐熱磁石」開発,レアアース“ネオジム”を最大50%削減

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 トヨタは2月20日、電動車両のモーターや家電製品にも使用可能な世界初の新型磁石「省ネオジム耐熱磁石」を開発したと発表した。新型磁石は、レアアース(希土類元素)であるネオジムの使用量を最大50%削減したうえで、自動車用モーター内の高温環境下でも使用可能な耐熱性能も確保しているという。(写真右:ローターコアにネオジム磁石が埋め込まれている4代目プリウスの駆動用モーター)

 ネオジム磁石は、高出力モーターをはじめ、さまざまなモーターに広く使われる高性能磁石。モーターは磁力の吸引・反発の力で回転力を発生させるが、大きなトルクを効率よく出すためにはより強力な磁石が必要となる。しかし、強力な磁石にはレアアースが必要となり、2030年に電動車550万台以上、EV・FCV100万台以上の販売を目指す同社のマイルストーンでは2025年時点でネオジムの供給が不足するという。

 そこで新型磁石は、ネオジムの代わりに豊富で安価なランタンとセリウムという軽希土類を使用することでネオジムの使用量を20%から50%程度削減するほか、従来では自動車用モーターの高温環境下でも高い保磁力を発揮するのに必要なテルビウムやディスプロシウムの重希土類も不要としている。(写真左:ネオジム磁石のレアアース使用状況、ネオジム(Nd)をランタン(La)とセリウム(Ce)で削減する)

 新型磁石の開発により、電動車の駆動用・発電用モーターをはじめ、電動パワーステアリング、ロボット等、幅広い用途への応用が期待される。今後は、実用化に向けて、搭載する自動車等での適用評価を進める。

 さらに、低コストで安定した生産をするための技術の研究・開発を進め、素材メーカーやサプライヤーと協力しながら量産体制の確立に取り組んでいく。

(磁力を比較する技術サンプル。左からフェライト磁石、ネオジム磁石、省ネオジム耐熱磁石となっており、ネオジム磁石と省ネオジム耐熱磁石の磁力に差がないことがわかる)

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