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2018/02/22

レクサスLS試乗、LSのDNA“静粛性”と“快適性”を昇華、ドライバーズカーとショーファーカーの性格を両立

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 昨年10月、レクサスのフラッグシップモデル「LS」が11年ぶりにフルモデルチェンジを実施した。

 5代目となる新型LSのラインナップは、新開発のV型6気筒3・5ℓツインターボエンジン(V35A-FTS)に10速ATを搭載したLS500と、V型6気筒3・5ℓエンジン(8GR-FXS)にマルチステージハイブリッドを搭載したLS500hの2種類。今回は両モデルに試乗させてもらった。

 まずエクステリアは、走りを予感させる低く構えたスタイリングとなった。さらに、スピンドルグリルの存在感がフラッグシップモデルとしての風格を際立たせている印象だ。

 車内に入ると、感性を刺激するような独創的なインテリアに注目してしまうが、その中でも特徴的なのがドアトリムだ。日本の匠の技を活かして天然杢にアート性を加えたアートウッドやL字型のプリーツ状の折り目を手作業でつけたハンドプリーツ、強化ガラスに加工を施し、繊細な造形を実現した切子調カットガラス等、独創的なインテリアを一層際立たせている。 

 シートは、ドライバーに合わせて最適なサポート位置をきめ細かく設定できる28ウェイ調整式フロントパワーシート(写真左)を採用するとともに、エアブラダ(空気袋)により背中から大腿部にかけて押圧するリフレッシュ機能も搭載。旅行などのロングドライブも体の芯をしっかりと抑え、道中リフレッシュ機能も堪能すれば疲れ知らずで運転を続けられそうだ。

 さらに後席には、22ウェイ調整式リヤパワーシートを搭載するほか、助手席のシートスライドと合わせて大人も足を延ばしてリラックス可能な1022㎜のレッグスペースを確保することもできる。

 

(水平軸のインストルメントパネルからドアパネルへ繋がる独創的なインテリア(左)、強化ガラスに加工を施し、繊細な造形を実現した切子調カットガラスのドアトリム)

 さて、気になる乗り心地は、前後席とも文句がつけようがない。同時にLSのDNAである静粛性と快適性をより昇華させ、エモーショナルな走りも実現している。3125㎜(全長5235㎜)のロングホイールベースを感じさせない、ステアリングを切ったときの素早い応答性をはじめ、LS用に改良された電子制御エアサスペンションが、路面からの衝撃を吸収するとともに、適度な硬さを維持し、快適性と走りの心地よさを両立させている。さらにエキゾーストノートをあえて聞かせるようにしているのも先代との違いのひとつ。後席の快適さをそのままに、運転の楽しさを大きく向上させている。

 また、GA-Lプラットフォームの採用で低重心化が図られたことに加え、ボディ剛性も全体に渡って見直され、先代LSの約2倍となるねじり剛性を実現。VDIM等のドライバーサポートテクノロジーが車両挙動を常に安定させることで、低速域から高速域はもちろん、ワインディングロードでも極めて安定感のある走りを見せた。

 2つあるパワーユニットは、出足のスムーズさはHV、中速域からの加速はターボが優る印象。ただ、どちらもパワーは十分で、高速クルージングを楽にこなす実力を持っている。欲をいえばパワーの出方がスムーズすぎるのでスポーティ感を得にくいが、これはないものねだりといえるだろう。

 ドライバーズカーとして走りを愉しめ、ショーファーカーとしての性格も両立するLSは、日本が世界に誇るフラッグシップモデルと言える。

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