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2018/03/11

トヨタ、TNGA新型パワートレーン発表、世界初の発進用ギヤを採用したCVT開発

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 トヨタは2月26日、グローバル販売の主力である2・0ℓクラスの新しいTNGAパワートレーンを発表した。今回発表されたのは、世界初となる発進用ギヤを採用した無段変速機(CVT)をはじめ、6速MT、2・0ℓガソリンエンジン、トヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)、4WDシステム。

 同社は2021年までにTNGAのパワートレーンを、エンジン9機種・17バリエーション、トランスミッション4機種・10バリエーション、ハイブリッドシステム6機種・10バリエーションを投入すると発表している。今回のCVT・6速MT、2・0ℓエンジン、2・0ℓハイブリッドシステムはその内の4機種。5年後の2023年には、トヨタ単独の年間販売台数(日本・米国・欧州・中国)の約80%への搭載を目指すとしている。さらに、TNGAのパワートレーン燃費向上寄与分だけでも、CO2排出量の削減効果は18%以上と見込んでいる。

■経済性と快適性を両立したダイレクトシフト―CVT/6速MT
 新型CVT「ダイレクトシフト―CVT」は、トランスミッションの基本性能である“伝達効率の向上”と“エンジン高効率領域の活用”、“高応答変速”を高め、燃費性能を現行比6%向上した。

 乗用車用CVTに世界で初めて発進用のギヤを採用したのが特徴で、アクセル操作に対して一瞬遅れるようなもたつき感を改善し、スムースで気持ちの良い発進性能を実現した。

 一方、新開発の6速MT(写真右)は、質量を7㎏低減するとともに全長を24㎜短縮。世界トップレベルのコンパクトサイズにしたことで燃費性能向上に貢献する。さらに、シフトチェンジ時に自動でエンジン回転を合わせるiMT制御を採用したことで、ドライバーに不快なショックを感じさせないスムースな変速操作をサポートする。

■世界トップレベルの燃焼効率を達成
 新開発の直列4気筒2・0ℓ直噴エンジン「ダイナミックフォースエンジン」は、高速燃焼技術、可変制御システムの採用のほか、排気・冷却・機械作動時等のエネルギーロスを少なくして、熱効率を向上させるとともに高出力を実現した。

 その結果、新開発の2・0ℓガソリン専用エンジン・HV車用エンジンは、ともに世界トップレベルの熱効率40%・41%を達成。加えて、従来型のエンジンと比べ、低回転域から高回転域まで全域でトルクアップを実現すると同時に、各国の排気規制にも先行して対応している。

(新開発の直列4気筒2・0ℓ直噴エンジン「ダイナミックフォースエンジン」)

■優れた操縦安定性を実現する新4WDシステム
 新4WDシステム「ダイナミックトルクベクタリングAWD」/「E-Four」は、さらなる燃費向上と4WDでの高い操縦安定性、走破性を目指し、エンジン車とハイブリッド車に採用する2種類の4WDシステムを開発。どちらもエンジン、トランスミッション、ブレーキ、4WDを統合して制御するAWDインテグレーテッドマネージメント(AIM)を採用し、路面を問わない高い操縦安定性を確保している。

 エンジン車に採用するダイナミックトルクベクタリングAWDは、走行状況に応じてリヤのトルクを左右独立で制御するトルクベクタリング機構を採用。ドライバーの思い通りの旋回性能と、高い悪路走破性を実現した。

 また、前後輪の車輪軸に世界初の「ラチェット式ドグクラッチ」を採用。これにより、2WD走行時には、後輪に動力を伝達させる駆動系の回転を停止させて損失を大幅に低減し、燃費向上をはかるディスコネクト機構も採用した。

 一方、ハイブリッド車に採用するE-Fourは、電気で駆動する後輪の全体トルクを従来型の1・3倍に増加。さらに、走行状態に応じて適切に後輪にトルクを分配する新制御を採用し、高い走破性と優れた操縦安定性を実現した。

 これら新パワートレーンは、従来型のエンジン車の環境性能、走行性能の向上に寄与するとともに、その基礎となる技術の一部は、HV車、PHV車、FCV車といった電動車においても、性能向上に反映されていくとしている。

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