カーアンドレジャーニュース > 自動車文化とヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2018」開催
2018/08/10

自動車文化とヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2018」開催

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

往年の名車から最新モデルが一堂に会し、過去から現代に至る歴史(ヘリテージ)にスポットライトを当て、個々のブランドフィロソフィーや魅力を発信することで、日本の自動車文化の創生を図る──オートモビルカウンシル2018が8月3日から5日まで幕張メッセ(千葉市、ホール4・5)で開催された。3回目を迎えた今年は、新たなプログラムや展示ジャンルの拡大等、内容もスケールアップ。会期中の来場者は3万484人だった。

国内メーカーからはトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、SUBARU(スバル)の5社と、輸入車メーカーではアストンマーティンの1社が出展。この他、32社のヘリテージカー販売店から最高のコンディションに整えられた憧れの名車約100台(購入も可能)が並び、会場には140台を超す内外の新旧名車が揃った。

■トヨタ──元気!! ニッポン、1960s!

今回は〝トヨタ博物館〟として出展。高度経済成長期で国中が勢いづいていた1960年代がテーマだ。今回の出展の経緯をトヨタ博物館・布垣直昭館長が説明した。
「スローガンはトヨタ博物館ミーツ・オートモビルカウンシル。ミーツには〝意気投合〟という意味も込めている。トヨタ博物館とトヨタ自動車、オートモビルカウンシルが目指すものが一致し出展となった」

トヨタ博物館はトヨタ自動車創業50周年を記念して1989年に設立。自社製品だけでなく、メーカーの枠を超えて内外の名車を展示していることでも知られる。
「さらなる自動車文化の盛り上げのために、こうした展示もメーカーの垣根を超えたものにしていきたい(布垣館長)」と、次回以降の展望も語った。

ブースには、耐久性とスピードを世界に示したトヨタ2000GTスピードトライアル車をはじめ、レース専用車のトヨタ7。博物館らしく、前回の東京五輪で聖火を運んだ日産・セドリックスペシャル等6台が展示された。

出展の経緯を説明するトヨタ博物館・布垣直昭館長(左)

■SUBARU──SUV進化の歴史

〝SUBARU(スバル) SUVストリー〟として、起源(レオーネ 4WDエステートバン)から最新モデル(新型フォレスター アドバンス/9月14日発売)まで、4台のSUVを展示した。現在、スバルの世界総販売の約7割をSUVが占めており、こうしたSUVモデル誕生から進化の過程を紹介した。

スバルの4WDは、東北電力から地元の販売店に持ち込まれて提案を試作~商品化。それがスバルレオーネ4WD エステートバン(1972年)だった。

その後、アメリカへも輸出。アメリカでの販売を活気づかせ現在への礎を築いたのが、アウトバック(1994年)だった。これまでがステーションワゴンからの派生モデルだったのに対し、専用モデルとして開発されたのがフォレスター(1997年)だ。優れたパッケージングとオン・オフでの優れた走行性能がヒットし、今ではグローバルで最大の販売台数を誇るモデルにまで成長した。現行フォレスターでは、モーターアシストを持つ〝Eボクサー〟も搭載。さらにスバルSUVの進化は続く。

(スバル4WDの歴史はこのモデルから。レオーネ4WD エステートバン)

■マツダ──中核モデル、コンパクトハッチバックの歴史を紹介

ブランドのコア車種であるコンパクトハッチバックモデルの歴史を紹介するとともに、デザイナーによるトークショーを開催した。

出展テーマを「マツダコンパクトハッチバックストーリー」とし〝赤いXG〟として一世を風靡した5代目ファミリアをはじめ、ラリーモンテカルロに出場した323・4WDラリーカー、個性的なクーペのようなスタイリングのランティス タイプR、2017年のモーターショーで初公開した魁(カイ)コンセプト等が展示された。

デザイナーによるトークショーでは、初代アクセラチーフデザイナーの鈴木英樹氏と、魁コンセプトモデルのチーフデザイナー土田康剛氏の2名が登壇。ファミリアのデザイン特徴や、競合車の中で埋没しない世界に通用するデザインを目指したというエピソードを紹介した。

(魁コンセプトモデルとチーフデザイナーの土田氏(左)、初代アクセラチーフデザイナーの鈴木氏)

■アストンマーティン──国内でヘリテージカーの販売と修理対応へ

初出展のアストンマーティン・ジャパンは、今年6月に発表されたフラッグシップモデル、DBSスーパーレッジューラと、フルレストアされたDB6Mk2ヴォランテ(生産台数38台のみ)を展示した。

同社の寺嶋正一マネージングディレクターは「スーパーレッジューラは、高いパフォーマンスとデザイン性、そこにヘリテージと軽量化のエッセンスを加えた、究極のスーパーGTであることを示している」と説明した。

また、本国でヘリテージカーの販売と修理等のサービスを行う、アストンマーティンワークスのジュリアン・レン・ヘリテージディレクターが来日。「DB6Mk2ヴォランテは、グッドウッドグリーンとベージュのインテリアの組み合わせが非常にエレガント」と紹介。合わせて、アストンマーティンワークスが日本に拠点を設置し、業務を開始することを明らかにした。

(DBSスーパーレッジューラと寺嶋マネージングディレクター(右)、ジュリアン・レン・ヘリテージディレクター)

このほか、日産はモータースポーツ活動60周年を記念して、オーストラリア一周ラリーに参戦したダットサン1000セダン(富士号、1958年)から、次季より参戦する電気自動車のフォーミュラカーレース、フォーミュラEの参戦車両も展示された。

例年DNAともいえるスポーツカーを展示してきたホンダは、ラグジュアリーモデル(4輪・レジェンド/2輪・ゴールドウィングGL)を歴代で展示。ラグジュアリーとはいえ、歴代レジェンドには世界初の新機構やスポーティな走りをもたらす新技術が投入されており、ホンダのDNAが息づいていることを紹介した。

 

週刊Car&レジャーについてはこちら→http://www.car-l.co.jp/

Facebookで更新情報をチェック!