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2018/08/28

スズキ・ジムニー/ジムニーシエラ試乗、先進デバイスにより高まる安心感と踏破性

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

ジムニー(軽自動車/660㏄ターボ)とジムニーシエラ(登録車/1500㏄ターボ)が20年ぶりにフルモデルチェンジ。両モデルは、軽自動車・コンパクトカークラスでは唯一の本格的オフロード4WD車として、絶大な支持を集めているのは周知のとおり。レジャーユースはもとより、降雪地域の生活の足として、あるいは林業従事者、ハンター(海外)など、未舗装路や自ら切り開いた道の先が〝仕事場〟というプロにも対応できる実力を持つ。

その源となるのは、梯子状のフレームにボディを載せ、シンプルな構造と高い信頼性を誇るパートタイム式4WD(レバー切り替え式)、リジットアクスル式サスペンション……という堅牢で耐久性に優れる基本構成であり、新型車もこれを継承しつつ、現代の先進テクノロジーが注ぎ込まれている。結果、特別なテクニックを必要とせずラフロードを踏破できるようになり、従来からの4WDマニア向けのクルマ、という敷居の高さが消滅した。

(〝ギア感〟あふれるインパネだが、装備も充実)

その先進メカの代表格がブレーキLSDトラクションコントロールとヒルディセントコントロールだ。
ブレーキLSDトラクションコントロールは4WD(ロー)の時、岩場などで片輪が浮き空転した時(=接地する車輪に駆動が伝わらない)に、ブレーキで車輪の空転を止め残る車輪に駆動力が伝わり、脱出性能を高めてくれる。

ヒルディセントコントールは4WD(ハイ/ロー)の時、下り坂でクルマの加速を抑え一定速で走れる。ドライバーは車速に気を遣わず、ステアリング操作に集中できる。

オフロードコースでその実力を試したが、手がかりや足がかりもなく、ヒトがはいつくばって登るような急勾配でも、特別な技術や操作もなく切り抜けることができ、踏破性の高さと頼もしさを実感。「こんなところも走れるんだ!」という驚きと、世界で愛され続けてきた実力の片りんを垣間見た。

もう一つの大きな特徴は、そのスタイリング。ハスラーと初対面の時にも似た、眺めているだけでもワクワクしてくる感覚だ。燃費向上のために滑らかなボディを持つクルマが多い中、直線と直角で構成されるボディはとても新鮮。ブラックアウトしたフロントグリルに大径タイヤ、それを覆うオーバーフェンダー(シエラ、写真右)などがアクセントとなりつつ、困難な仕事でもきちんとこなす〝風格〟すら感じさせる。

着座位置も高いので運転席からの視界は極めて良好。車両感覚がつかみやすい。ジムニー/ジムニーシエラとも、オンロードでの走りはパワーに過不足なく、不要なロールも少ない。軽ハイトワゴンのような、ゆとりある室内空間をジムニーに求めるのはお門違いだが、他の追随を許さない4WD性能がある。

おそらく都内の非降雪地域在住では、ジムニーの本領を発揮できる場面は限られるとわかっていつつも〝手に入れたくなる〟魅力にあふれていた。

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