カーアンドレジャーニュース > CO2フリーの水素を製造し燃料電池フォークリフトに供給 今秋から京浜地区で実証開始
2016/03/24

CO2フリーの水素を製造し燃料電池フォークリフトに供給 今秋から京浜地区で実証開始

osaki
カーアンドレジャーニュース

トヨタ自動車をはじめ岩谷産業、東芝、神奈川県、横浜市、川崎市は、京浜臨海部において再生可能エネルギーを活用した、低炭素な水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証を今秋から開始する。17年度から本格運用に移り、18年度まで実施される。

燃料電池車(FCV)は走行時に二酸化炭素(CO2)の排出がゼロだが、現状、燃料となる水素の製造工程でCO2の排出が避けられない。製造から走行までの全工程でのCO2削減は大きな目標でもある。

このプロジェクトはで、水素製造段階で再生可能エネルギーを活用することで、現状の電動フォークリフトやガソリンフォークリフト利用時のサプライチェーンと比べ、80%以上CO2削減が可能になると試算されている。この実証では将来の普及展開モデルを見据えた、コスト試算やCO2削減効果などを検証していく。今回の実証のテーマは主に次の4点となる。

1・風力発電により水を電気分解して水素を製造するシステム
横浜市風力発電所「ハマウィング」の電力を、水の電気分解による水素製造と装置の動力として活用する。変動する風力発電量と水素需要の時間差を考慮し、設備を最適運転できるマネジメントシステムによりフレキシブルにCO2フリーの水素を製造する。水素製造(水電気分解)装置は東芝製を使用する。

(横浜市風力発電所「ハマウィング」)

2・最適な水素供給に向けた貯蔵と輸送の仕組み
水素を安定供給するために、2日分の水素を貯蔵する。ハイブリッド車の使用済みバッテリーを再利用した蓄電池システムを活用し、風力発電装置が停止しても安定的な水素供給が可能になる。蓄電池システムはトヨタタービンアンドシステム製を使用する。

水素の輸送は、燃料電池フォークリフト用の簡易水素充填装置(国内初、岩谷産業製)を搭載したハイブリッドトラック(4t車)で行なう。

3・燃料電池フォークリフトの導入利用
短距離・多頻度、重量物運搬、屋内多層階での使用と水素充填、低温物流業など、異なる使用条件で多様な実証ができるよう、燃料電池フォークリフトは横浜市、川崎市内の4事業所(12台)に導入される。燃料電池フォークリフト(豊田自動織機製)は、約3分で水素の充填が完了し、電動フォークリフトと同じ約8時間の稼働が可能。従来から、電動フォークの連続稼働には予備電池が必要だが、燃料電池の場合は予備電池の購入・保管が不要となる。

4・水素サプライチェーンの事業可能性調査
この実証においてコストを評価し、量産体制の整備と必要な規制緩和項目などを洗い出し、今後の水素価格低下に向けた対応の方向性を検討する。

自動車業界の情報をさらにチェック→http://www.car-l.co.jp/

Facebookで更新情報をチェック!