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2016/06/17

三菱自動車、過去10年間に販売した車種の調査結果を発表

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 三菱自動車は6月17日、国土交通省で燃費試験における不正行為について会見を開き、過去に販売した車種に関する調査報告と再発防止策を発表した。会見には、益子修会長、相川哲郎社長、中尾龍吾副社長が出席し、ユーザーへの補償内容や不正行為の原因について説明した。

 過去に販売した車種の調査報告では、同社の文書保管期間が10年間であることから、調査可能な範囲は2006年から2016年までの10年間。その期間に販売した20車種について調査を実施したと発表。

 調査の結果、走行抵抗の測定において、法規に定められたものとは異なる独自の「高速惰行法」を17車種で使用していたことがわかったほか、一部車種では過去の測定結果などを基にした机上計算で行なうなど、恣意的なデータ改ざんがあり20車種すべてで不正が見つかる結果となった。(詳細は下部の表参照)

 この調査結果を受け、益子会長は「走行抵抗の試験結果にはばらつきがあり、開発の現場では机上計算の方がより技術的に妥当で使用しても問題ないと思い込み、机上計算を半ば習慣的に行っていた。また、一連の作業は、担当者が長期にわたって固定した部署の中で行なわれ、法規に適合した作業となっているかの外部チェックができていなかった。」と不正行為の原因を述べ、法令を遵守する意識が不足していたと説明した。

 再発防止策については、①燃費届け出適正化のための施策、②再発防止体制構築推進組織(仮称:事業構造改革室)の設置、③人事・コンプライアンス関連施設、④MAE車両性能実験部のあり方見直し、⑤経営レベルでのフォローアップ体制強化、の5点を挙げ順次取り組んでいく。なお、4月25日に設置した外部有識者のみによる特別調査委員会からの報告が7月末を予定していることから、追加的な施策実行が必要となった場合には、速やかに対応していくという。

 一方で、相川哲郎社長は「ekシリーズ、デイズシリーズの燃費悪化に伴うガソリン代の差額分、将来の車検時の税額分を勘案した金額として、仮ではあるが1台当たり10万円を支払う。ただし残価設定クレジット契約、リース契約のお客様に関しては契約年数に応じた別の取り扱いとさせていただく。」とし、続けて「2006年に販売したパジェロや2010年に販売したRVRのほか、旧型アウトランダー、ギャランフォルティス、ギャランフォルティススポーツバック、この5車種の対象年式・型式モデルに現在乗っているお客様には13万円をお支払いさせていただく。」と、ユーザーへの補償内容を説明した。支払方法については、準備が整い次第同社HPに掲載される。

(左から:相川哲郎社長、益子修会長、中尾龍吾副社長)

 

■不正行為の分類

A:法令で定められた「惰行法」と異なる走行抵抗測定方法を使用

B:法令で定められた成績書(負荷設定記録)に惰行時間(走行抵抗からプログラムで算出)

  試験日、天候、気圧、温度等、を事実と異なる記載

C:走行抵抗を恣意的に改ざん

D:過去の試験結果などを基に机上計算

※机上計算の基となる実車測定のデータが文書保管期間を過ぎているため、確認できない状態

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