最先端のテクノロジーを紹介する「CEATEC JAPAN2016」開催
matsuguma
CPS/IoTの総合展示会「CEATEC JAPAN2016」が、10月4日から10日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催した。17回目の開催となる今年は、従来の最先端IT/エレクトロニクスの総合展示会から、ライフスタイルと産業構造を変える可能性を持つCPS/IoTをコンセプトに変更。昨年比22%増となる648社/団体が出展し、最先端のテクノロジーを紹介した。
CEATEC JAPAN2016は、世界最先端の技術・製品・サービスを提供する企業が一堂に会し、国内外の業界関係者をはじめ、幅広いユーザーに情報を発信する総合展示会。今年のテーマは“つながる社会、共創する未来”とし、将来的なライフスタイルの変化を体感できるように会場内を4つのエリアに区分けした。
部品や素材、関連ソフトが集結する「CPS/IoTを支えるテクノロジー・ソフトウェアエリア」をはじめ、暮らしや健康のサポートサービスを提案する「家エリア」、過ごしやすい都市や住みやすい街を提案する「街エリア」、そして安心・安全な社会の構築を提案する「社会」エリアでは、自動車メーカーからトヨタとホンダが出展した。
トヨタブースでは、FCVミライのカットモデルと水素を燃料とする燃料電池フォークリフトを展示し、水素社会を提案したほか、手のひらサイズのコミュニケーションパートナー「KIROBOmini」を展示した。
KIROBOminiは、高さ10センチ、重さ183グラムの二頭身ロボット。設定は5歳児程度で話しかけた相手の方向に顔を向け、顔や手を動かしながら会話できる。また、会話した内容を記憶し、内部に搭載されたカメラで人の表情を認識することで感情を推定した仕草や会話も行なえる。
開発責任者の新コンセプト企画室 片岡史憲主査は、「過去に話したことを覚えていてくれるので、パートナーシップが深まる。それで愛情にも似た感情を抱き、愛着につながっていく。相手は5歳児の子供なので、子供と親がキャッチボールをするような気持ちで接してほしい」とコメントした。
さまざまな仕草や会話は、本体と専用アプリをインストールしたスマートフォンをブルートゥースでつなぐことで可能となる。また、つながるサービス対応車両やトヨタホーム(本社:名古屋市東区、代表:山科忠)が提供するエネルギー管理サービスと連携することで「今日はいっぱい走ったね、お疲れ様」、「おかえり、ぽかぽかお風呂が待っているよ」といった家やクルマの状況を踏まえた会話もできる。今冬には東京都と愛知県の一部販売店で先行販売される。
一方、ホンダは竹や石畳を取り入れ、古都をイメージさせるブースデザインを採用。古都の狭い道でもスムーズに進めるマイクロEV豊島屋モデルを出展した。
このマイクロEVは、ホンダと3Dデザインを設計するカブク(本社:東京都新宿区、代表:稲田雅彦)、デザイナーネットワークを持つランサーズ(本社:東京都渋谷区、代表:秋好陽介)による共同制作。ホンダの超小型EV「MC-β」をベース車両とし、鳩サブレの豊島屋(本社:神奈川県鎌倉市、代表:久保田陽彦)の業務に合わせた荷室をカブクが設計するとともに、ボディを3Dプリンタで製作した。
全長2495㎜、全幅1280㎜、全高1545mmのマイクロEV豊島屋モデルは、床下にパワートレインをコンパクトに収納。重量のある部品を低い位置に設置したことで、安定した走りを実現した。また、荷室は豊島屋の専用梱包箱のサイズに合わせた設計に加え、荷室の扉を上下2分割とすることで積み下ろしの利便性も考慮している。鎌倉市は細道や坂が多いため、自転車や車での配送よりも超小型EVでの配送に向いているという。
このほかにも、カーエレクトロニクスメーカーでは、クラリオンや三菱電機などが社会エリアにブースを出店。クラリオンは、総合HMI技術ゾーン、カメラ技術ゾーン、フルデジタルサウンドゾーンなどで構成。フルデジタル音源を楽しめる試乗車に加え、クラリオン独自の画像処理技術でクルマを真上から見た視点の映像を実現する市販用製品などが注目を集めていた。一方、三菱電機は、車載用3Dヘッドアップディスプレイや、視線移動低減を目的とした車載ディプレイを展示した。
(写真左:視線移動低減HMI。2枚の液晶を組み合わせて自動車のコンソールに合わせたラウンドフォルムを再現。写真右:安全走行・駐車をサポートするクラリオンの映像システムSurroundEye(サラウンドアイ)
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