トヨタ・モビリティ基金が助成するベトナム、ダナン市での交通多様化プロジェクトにおいて、バスの運行およびパーク&ライドシステムの運用を開始
osaki一般財団法人 トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)が助成するベトナムのダナン市での交通渋滞多様化プロジェクトにおいて、6月30日に、オープニングセレモニーを開催し、TMFバス(市内循環バス)の運行とパーク&ライドシステムの運用を開始した。
ダナン市はベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「インドシナ東西経済回廊」の玄関口に位置し、急激な人口の増加と経済成長により、モータリゼーションが進展しており、バイクや自動車の登録数がこの5年で約40パーセント上昇し、将来的に渋滞が深刻化することが懸念されている。
このプロジェクト(期間 : 2015年7月から2019年3月)では、ダナン市人民委員会を助成先とし、自家用車、バイク、公共交通機関を併用した交通手段の多様化によって、市民の移動手段に関する行動様式の変容を促し、渋滞の深刻化を未然に防ぐことを目指している。助成総額は約290万ドル(約3.2億円)である。主な施策は以下の通り。
TMFバス(市内循環バス)
市内バス路線に接続する、フィーダーバスと呼ばれる支線バスの役割を持ち、ダナン市の都市開発計画に合わせて、市営バスを始め、他の交通手段との接続性を考慮したルートを走行する。また、通勤・通学の利用者だけでなく、家族連れや旅行者など様々な利用者にとってバスでの移動が安全で快適になるよう配慮している。
- 運行概要
- 市街地と住宅地を結ぶロングルート、および市街地を循環するショートルート
- 合計8台(40人乗り6台、28人乗り2台)の車両
- バスを利用するきっかけ作りのため、当初1年間の運賃は無料
- 次年度以降の運賃は利用状況に合わせて決定し、他の交通手段と統合された電子支払システムを導入予定
- 安全で快適な移動体験
- 全車両へエアコンおよびベトナム語と英語(観光客向け)の案内表示を設置
- 主要なバス停に電子掲示板を設置し、GPSによるバスの位置情報などの運行状況を表示
- 全てのバスドライバーへの安全運転とエコドライブ教育の実施
自家用車やバイクを駐車場に止め、バスへの乗り換えを促進するために、「路外駐車場」と「路上駐車場」を整備した。その際、IT技術も活用し市民にとって安全で使いやすい仕組みづくりに配慮した。
- 「路外駐車場」
- バスの発着場であるバスターミナルに併設
- 車番認識カメラ機能をもつ自動開閉ゲートを設置し、車番とICカード駐車券を連動させることで車両盗難を防止
- バスへの乗換えを促進するため、サービス開始時の駐車料金は無料(利用状況に応じて決定)
- 「路上駐車場」
- バスルート上の川沿いのメインストリートを中心に100台規模の駐車スペースを整備
- 駐車料金の支払いには、ダナン市民が使い慣れている携帯電話によるプリペイド式決済システムを採用
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