BASFが自動車のカラートレンドを予測発表
matsuguma
世界最大の総合化学メーカーBASFは8月7日、2~3年先のアジア太平洋地域を含む世界の自動車のカラートレンド予測を発表した。
同社のコーティングス事業部・グローバルデザインチームでは毎年、グローバルと各地域(アジア太平洋、北米、欧州)の二つの視点から時代の流れを読み解き、自動車のカラートレンドを予測している。最新のカラートレンド予測テーマは“あるがままに”(RAW)。このテーマは「完璧なものや過度に表現されたものよりも、素のままの飾らないもの」や「自分自身の感覚」をより追求する価値を表現している。
アジア太平洋地域のカラーデザインを担当する松原千春チーフデザイナーは「アジア発のデザインが世界の市場で重要視されていることで、自国の伝統やアイデンティティにエコロジーや都市化といった現代の問題を関連付け、この地域からユニークなデザインコンセプトが誕生している」と分析した。
また、アジアの消費者の特徴として、地域の独自性と特徴を大切にしながら、未来への強い意識を持っていると説明。鮮やかなオレンジや強い色合いの青紫が前向きな姿勢や自身を反映することから、高彩度の青色など青のバリエーションが、アジアで人気の高いコンパクトカーや小型SUVでも注目され、特にインドでは青が主流になると予測した。
世界一の自動車市場を持つ中国は、人々がアイデンティティや豊かな暮らしを求めるなか、生活の質がキーワードになっている。そのためスタイリッシュなデザインと素材を用いた洗練された鮮やかな色が、消費経験を積んできた中国の消費者の心を掴むと予測。具体的には、ワインレッドのような新しいクラシックカラーが若者の間で好まれ、質感を抑えた明るいオレンジ色はアクティブな人に好まれると説明した。
一方、日本のカラートレンドは、成熟市場ということもあり、気に入った物を購入するヨーロッパやアメリカに近い考え方を持っている。日本の市場は細分化されており、さまざまな表現の色を求めるユーザーが多く、アジアのカラートレンドの影響も受けつつ水色やピンクなどの中間色のバリエーションも重要だと説明した。
今年の6月にコーティングス事業部・執行役員に就任したトーマス・グミュール氏は「カラーデザインの成功の鍵は、カラーの技術開発だけでなくカスタマーと緊密に連携することが非常に重要。自動車メーカーとは共創をテーマに進めている」と述べ、OEMの提案時に使用するBASF発行のカラートレンドブックが、専門性の高さでレッドドットアワードやIFアワードといった国際的なデザイン賞を獲得したことを挙げ、カラーデザイン調査の正確性をアピールした。
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