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2016/01/26

日本自動車輸入組合(JAIA)理事長定例会見 市場環境は厳しいが会員各社の積極的な新型車導入などで30万台を期待

osaki
カーアンドレジャーニュース

日本自動車輸入組合(JAIA)のペーター・クロンシュナーブル理事長(ビー・エム・ダブリュー社長)は1月21日、就任後初の定例の記者会見を行ない、昨年の輸入車市場を振り返るとともに国内市場の中期的展望、同組合の活動状況について述べた。

●2015年の市場実績

2015年1月~12月の輸入車新規登録台数は、32万8622台(前年比2・2%減)で、このうち外国メーカー車(乗用車)の新規登録台数は28万4471台(同1・5%減)だった。その中でも、次世代自動車車の販売は好調で、クリーンディーゼル車の販売は年間を通じて増加し続け、合計で2万8834台(同62・0%増)。ブラグインハイブリッド車は、1775台(同115%)だった。

また、登録車全体に占める外国メーカー輸入乗用車が占める割合は10・5%(前年10・1%)で、軽自動車も含めた421万5889台に占める外国輸入乗用車のシェアは6・7%だった(前年6・1%)。

●国内市場の中期的展望

今後も高度な安全機能と環境性能を備えた自動車への消費者の関心がますます高まる見通しであり、高齢社会に向かう日本では、中期的に高齢顧客のための快適装備がますます重要になる。こうしたトレンドは今後、輸入車に新たな機会をもたらすだろう。

また、持続可能な自動車産業の発展のためにはクルマ文化の形成が肝要であり、多くの欧州諸国ではヒストリックカー、ビンテージカーの所有だけではなく、公道での使用を奨励するさまざまな制度がある。日本でもこうしたクルマ文化を築くため、歴史的なクルマに対して免税などのインセンティブを提供するよう、政府および地方自治体に提案する。

2016年は、日本の乗用車市場にとって試練の年になることが見込まれる。昨年12月に公表された与党の税制改正大綱は、自動車ユーザーの税負担増につながるもので、自動車市場に悪影響を及ぼすリスクがある。しかし、JAIAでは東京モーターショーをはじめ各地で開催したモーターショー、輸入車ショーでは大変好評を博した。

こうした高い関心に対し、会員各社はさらなる新型車の投入、先進的な安全技術やパワートレインの導入、販売ネットワークの充実を通じて積極的に応えることで、今年も厳しい市場環境の中、海外メーカー輸入車の販売台数は30万台を期待する。

●JAIAの活動状況

[自動車税制について]

JAIAは税制改正大綱で示されたグリー化特例延長の方向性は歓迎するが、減税インセンティブ制度の燃費基準が強化されることで、減税を受けられるクルマが減少することに危惧している。

このほか、2017年度に予定される消費税率10%への引き上げ時に自動車取得税が廃止され相殺されることを望んだが、取得税は環境性能課税に置き換えられる。税負担が増加する国内自動車市場の大きな混乱を回避するために、JAIAは他の自動車関連団体と協力し、政府に対して強く要望していく。

また、新たに導入される環境性能課税の最高税率が登録車の3%に対し、軽自動車は2%であり、登録車と軽自動車の税負担の格差を自動車税の引き上げなどにより縮めることを期待している。

[技術関連分野]

長年にわたり技術基準を環境規制の国際的調和を推進してきたが、いくつか進展が見られた。

●騒音規制について

昨年10月、日本政府とEUは国連自動車基準調和社会フォーラムWP29において、より実態を反映した新たな試験法について合意に至った。この改正が実施されれば、日本独自の追加試験の必要がなくなる。

●国際的な車両認証制度(IWVTA)について

国土交通省の支援を得て、WP29においては国際的な車両認証制度の創設が進展している。このIWVTAが完成すれば、IWVTAで認可された車両は、日本における認証作業が大幅に簡素化される。

●自動走行について

現在、日本、欧米諸国でも完全自動走行に向けた最初のステップとして、新たな先端技術に対する取り組みが行なわれている。しかし、自動走行関連技術導入の円滑化のためには、既存の基準、規制の改正が意図せざるとも貿易障壁にならないことが重要である。

具体的には、自動走行で不可欠な通信に必要な周波数の問題。世界標準のプロトコルが設定されておらず、世界的な共通の意思決定がなされていない。この主要な要素を今後解決しなければならない。今いろいろな方向性に向かって動き出しているので、何とかこれらの動きを調和化させて共通の方向性が見つかるよう願っている。

●排出ガス燃費試験について

将来の排出ガス規制及び燃費試験法の基礎として、国連WP29が策定した乗用車等の国際調和排出ガス燃費試験法(WLTP)を採用するという日本の基本方針を歓迎する。新基準の採用には、その基準内容と採用時期両面での国際的調和が肝要だ。JAIAは引き続き関連省庁と密接に連携していく。

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