86/BRZファン待望のマイナーチェンジを実施、ボディ・足回りを見直しフラットな乗り心地を実現
matsuguma
トヨタ自動車と富士重工業は7月5日、共同開発のFRスポーツカー、トヨタ・86(ハチロク)とスバル・BRZのマイナーチェンジを発表し、8月1日から発売する。その変更点は、空力性能向上を狙ったエクステリアデザインの変更や、エンジンの出力向上、ショックアブソーバーの変更による操縦安定性の向上など、多岐にわたるもの。さらに、BRZはブレンボ製ブレーキやザックスダンパー(ZF社製)を装着した最上級グレード「GT」を今秋に発売する。
トヨタ・86は、ドライバーの感覚一つで思いのままに取り回せる〝手のうち感〟や操る楽しさを体感できる〝直感ハンドリングFR〟をコンセプトに開発され、世界唯一の水平対向ユニットや超低重心FRパッケージを採用することで、独自の走りの楽しさを追求してきた。今回の改良にあたっては、ニュルブルクリンク24時間レース参戦からフィードバックされた技術を中心にすべてを見直し、世界各地の道で鍛え直すことで車両各部を作り込んだという。「スポーツカーとしてのさらなる深化」をキーワードに掲げ、より走りに特化したモデルとすることで、スポーツカーファンのさらなる獲得を目指している。
■最高出力を7PS向上
搭載される水平対向4気筒2・0㍑(FA-20型)エンジンは、インテークマニホールドやエキゾーストマニホールドなど吸・排気系の部品を改良するとともに、シリンダーヘッドブロック結合部の剛性強化などにより、最高出力7PS/最大トルク7Nmを向上させ、最高出力207PS、最大トルク21・6㎏mとした(MT車のみ)。このほか、ファイナルギア比を変更したことにより、全域での加速性能も向上している。
また、ボディやシャシーにも細部まで変更が施された。ボディは操舵応答性向上と静粛性を高めるため、リヤピラーのスポット打点増し打ちによるボディ剛性の強化に加え、V型タワーバー取り付け部やリヤホイールハウス外側への補剛材を追加した。
■リヤスポイラーなどで空力と設置性を向上
エクステリアは、フロントからリヤまで、細部にわたり空力性能向上を狙ったアイテムの設定・改良を施すことで、接地性や回頭性も高めている。また、一部グレードには、ウイングタイプのリヤスポイラーを標準装備することで、優れた操縦安定性も確保された。
具体的には、フロントセクションでは、従来型よりノーズ先端を下げ、グリル開口を横へ拡大することで、ワイド&ローな構えを強調した。リヤセクションは、バンパー黒加飾部位の幅を拡大したことで〝ハの字〟を強調するワイドスタンスを表現している。
また、灯火類はすべてLED化され、バイ・ビームヘッドランプを全車標準装備したほか、リヤコンビネーションランプはLED化に加え、水平基調にランプを配置することでシャープな印象を強調した。上級グレードはLEDフロントフォグランプを標準装備する。
足元は切削光輝とガンメタリック塗装を施した17インチアルミホイールを装着し(上級グレード)、細いツイストスポークデザインのアルミホイールがサイドビューの軽快感を演出している。
■スポーツカーにふさわしいコックピット回り
インテリアは、黒を基調に落ち着いた空間としている。インストルメントパネルやドアトリムなどにスエード調の人工皮革〝グランリュクス〟を採用し、質感を高めるとともに外光の反射を抑えることで、ドライビングに集中できるクルマとの一体感を高めたコックピットを実現した。シート表皮にはパーフォレーション加工のアルカンターラも設定した。
コックピットまわりもスポーツカーにふさわしいアイテムが採用されている。ステアリングホイールは362㎜径で、最適なグリップ断面形状を実現することで、操舵性と握り心地の良さを徹底的に追求した(86はトヨタ車最小のステアリング径となる)。
3眼タイプのメーターの中央に位置するタコメーターは、最高出力を発揮する回転域7000回転が真上になるようになった(一部グレード)。
右側のメーター部は、4・2インチTFTカラーのマルチインフォメーションディスプレイを採用(同)。瞬間燃費や航続距離に加え、Gモニターやパワー・トルクカーブ、ストップウォッチなど、車両の正確な情報をリアルタイムでドライバーに提供する。
■サーキット走行向けの制御を新採用
サスペンションも改良された。前後のショックアブソーバーのバルブ構造および減衰力を変更したほか、前後のコイルスプリング定数変更とリヤスタビライザー径をアップさせ、前後のロール剛性配分の最適化などを行ない、より安定感のあるフラットな乗り心地を実現した。
VSC(BRZはVDC)スポーツモードに代わり、「TRACKモード」をあたらに採用。サーキット走行向けの制御で、限界付近でもドライバーのコントロール領域を残し、スピン挙動の緩和をサポート。トレーニングモードともいえる乗り味を実現した。
【希望小売価格】トヨタ・86=262万3320円~325万800円▽スバル・BRZ=243万円~302万9400円
週刊Car&レジャーについてはこちら→http://www.car-l.co.jp/
Facebookで更新情報をチェック!