日産、国内メーカー初となる自動運転技術「プロパイロット」を発表
matsuguma
日産自動車は7月13日、高速道路の単一車線で利用できる自動運転技術「プロパイロット」と8月下旬発表予定の5代目新型「セレナ」を公開した。
プロパイロットは、主に渋滞走行と長時間の巡航走行の2つのシーンでドライバーの負担を軽減するもの。第1弾として、内外装デザインを変更するとともに先進装備を充実させた新型「セレナ」に搭載される
■自動運転技術「プロパイロット」
今回発表された日産の自動運転技術「プロパイロット」は、高速道路の単一車線での自動運転技術。国内の道路と交通を熟知した同社の自動運転技術に、単眼カメラを使った高度運転支援システム(ADAS)の開発に取り組むモービルアイ社(本社:オランダ)の映像技術を活用した、独自の画像解析技術を融合。これにより前方車両や白線を瞬時に三次元的に把握し、正確に車両を制御する。
システム作動時は、ドライバーが設定した車速(約30~100㎞/h)内で、先行車両との車間距離を一定に保つよう制御することに加え、車線中央を走行するようにステアリング操作をサポートする。
先行車両が停止するとシステムが自動的にブレーキをかけ、車両が完全に停止した場合は停止状態を維持。先行車両が発進した際は、ドライバーがスイッチを押すかアクセルペダルを軽く踏むことで追従走行を再開する。
センサーとなる高性能単眼カメラはフロントウィンドウ上部に装着。前方車両との距離や車線内の自車位置を計測し、ステアリング、アクセル、ブレーキを自動で制御する。また、渋滞時のハンドル、アクセル、ブレーキすべての自動化は、日本の自動車メーカーでは初の技術となる。
この自動運転技術にともない、新たに7インチの大画面インターフェースを開発。ステアリング上右側のプロパイロットスイッチをオンにするだけでシステムが起動し、車間距離や自車速度、先行車などの情報がわかりやすく大画面で表示される。
このプロパイロットは、2017年に欧州で“キャッシュカイ”に搭載するほか、米国、中国へも順次導入していく。さらに日産は、2018年には高速道路での車線変更を自動的に行なう、複数レーンでの自動運転技術、2020年までに交差点を含む一般道路での自動運転技術を導入予定だという。
■日産の主力ミニバン“セレナ”
日産セレナは、1991年のデビュー以来、累計150万台以上が販売されている人気モデル。5代目となる新型セレナはプロパイロットなどの最先端の技術を取り入れ、さらに魅力を高めた。
エクステリアは、セレナらしさを継承しつつ次世代のミニバンとしての新しさを融合。フロントまわりを先代モデルで採用した二段構成のヘッドランプとVモーショングリルで、より精悍で力強い顔つきとなった。
また、トレードマークである“シュプールライン”のデザインを変更。先代ではフロントドアウィンドウの途中に段差をつけていたが、新型はフロントウィンドウの下端全体を傾斜させ、サイドビューにスポーティな印象を与えている。
一方、インテリアでは、内装色をハイコントラストなコーディネーションを用い、開放感のあるモダンな空間を表現した。ダッシュボードに空間的な広がりを感じさせる横方向の流れをテーマとしたデザインを採用。また、メーターを薄型化して車両前方に配置することで、パノラミックな開放感を演出している。
1、2列目のシートには、上級セダン“ティアナ”でも搭載しているゼログラビティシートを採用。ロングドライブ時の疲労感を軽減するため、3列目にも奥行と厚みのある座り心地のいいシートを搭載した。
■開放的な室内空間を実現
5代目セレナは、パッケージングにもさまざまな工夫を凝らしている。室内長、室内幅を拡大させ、クラスナンバー1の広さを実現。さらにフロントピラーをブラック化することでドアガラスをより大きく見せる工夫を取り入れたほか、ルーフトリム形状を変更して室内空間に広がりを持たせるなど、実際に感じる広さにもこだわった設計となっている。
また、強度を変えずにAピラーを細くし、メータークラスターのデザインをスリムにするなどして運転席からの視界を向上。シート内蔵タイプの2列目シートベルトや後席からの視界も考慮したヘッドレストの採用などにより、3列目の開放感も大幅に向上している。
■走りから安全面までドライバーをサポート
走行性能に関しては、パワーユニットに先代と同じスマートシンプルハイブリッドを搭載。エンジンの細かい部分まで見直し燃費性能を向上させた。また、街中では軽い力で操作でき、高速道路ではしっかりとした操舵感が得られるようハンドリングとなるよう最適にチューニングしている。
また、サスペンション取り付け部やバックドア開口部の剛性向上に加え、ショックアブソーバーのサイズアップにより、高速道路などでの車線変更する際の操作応答性や車両安定性を向上させている。
運転支援システムもより充実した。先代モデルにも採用していた「エマージェンシーブレーキ」、「車線逸脱警報機」、「アラウンドビューモニター」、「スマート・ルームミラー」に加え、より操作性と駐車精度を高めた自動駐車機能「インテリジェントパーキングアシスト」を新設定した。
なお価格については、自動運転システム「プロパイロット」を搭載した仕様を300万円以下で設定するという。
週刊Car&レジャーについてはこちら→http://www.car-l.co.jp/
Facebookで更新情報をチェック!