国内初のヘリテージカーによるイベント、オートモビル カウンシル2016を開催
osaki
国内初の伝統的なクルマ(ヘリテージカー)によるイベント、オートモビル カウンシル2016が8月5日から7日まで、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された(主催・オートモビル カウンシル実行委員会)。このイベントは、国内外の自動車メーカー9社とヘリテージカーの専売店19社が出展。日本の自動車市場を牽引してきたモデルをはじめ、100台を超す往年の名車を展示、紹介そして販売するもの。国内メーカーはそれぞれの歴史を作った中核モデルを紹介、輸入車ブランドは最新モデルの発表、国内初公開を行なった。
日本にも自動車文化を根付かせたい、そうした思いで企画されたのがこのイベント。飛躍的に拡大した戦後の日本の自動車産業は、飛躍と同時に輝かしい歴史も築かれた。その足跡の部分にスポットライトを当てることが、自動車文化の醸成につながるという考え方だ。
100台を超す名車が一堂に集まったのは圧巻の一言。往年のファンには〝懐かしく〟若年層には初めて見る〝かっこいい〟クルマに映ったことだろう。
日産ブースでは、プリンス・スカイラインに始まった〝スカイライン伝説〟の主要モデルと、その血統を受け継ぐニッサンGT-R2017年モデルが展示された。
ホンダは〝マイクロスポーツ〟をテーマに小排気量のスポーツカー、スポーツ360とS600、そして考えを受け継ぐ現行のS660が肩を並べた。
一方、輸入車ではメルセデス・ベンツ日本は、60年代、80年代、90年代、そして現行のラグジュアリーロードスター、SLを展示。各時代の美しさを競った。
車両展示のほかに、内外自動車メーカーの開発担当者やデザイン担当者による講演やトークショーも行われ、それぞれのブランドを感じることができた。また、国内3メーカーはプレスカンファレンスを開催し、過去から未来へつながるそれぞれの道筋を示した。
■地球人の幸福と福祉のために走り続けるカローラ
今年生誕50周年を迎えるカローラをテーマに出展した。初代をはじめ2代目(TE27、初代カローラレビン)、4代目(1600GT)、そして現行アクシオに設定される、生誕50周年記念限定車が並び、パネル展示とともにカローラの変遷を紹介した。
プレスカンファレンスでは、11代目開発責任者・安井慎一常務理事が、カローラの50年の歴史と開発の考え方を紹介。さらに、歴代の開発責任者、佐々木紫郎氏(3代目)、齋藤明彦氏(6代目、7台目)、現在のチーフエンジニアである小西良樹氏が出席し〝歴史の重み〟を改めて感じさせた。
カローラは初代開発責任者、長谷川龍雄氏の80点主義+αの思想を元に、大衆車としての地位を固め、歴代の開発責任者が時代をリードするコンセプトと技術を提示した。
1995年以降はグローバル対応として、地域ごとのボディやデザインに分かれた。「今は地球規模の物事を考えることが重要。〝地球人〟の幸福と福祉のため基本性能はもちろん、感性性能を高めていきたい(安井常務理事)」と、カローラは次の50年に向けて走り出している。
■マツダデザインの歴史と将来像を提示
マツダブースは「マツダデザインエレガンス」をテーマに、同社初の軽乗用車「R360クーペ」や、昨年の東京モーターショーで公開された「RXビジョン」のほか、リトラクタブルハードトップモデル「MX‐5RF(ロードスターRF)」などを出展。過去から未来につながるマツダデザインを象徴するモデルを展示し、マツダデザインの歴史を振り返るものになっている。
MX‐5について、ロードスターの開発主査を務めた山本修弘氏は「クローズ時の美しいファストバックスタイルと、オープン時の爽快なフィーリングが味わえるクルマ。常識にとらわれることなく造り上げた、マツダの挑戦の形が具現化したもの」と紹介した。また、今秋から予約を開始し、年内に発売を開始することも明らかにされた。
さらに、視覚だけでなく感性に訴えかけるブランド体験の提供を目的に、化粧品大手の資生堂とともに開発したフレグランスを初披露。ウッディレザーローズをベースに〝魂動〟を象徴する香りを表現した。
■航空機用エンジンをルーツに持つボクサーエンジン
スバルのコア技術でもある、ボクサーエンジン50周年をテーマに、ボクサーエンジンのツールともいれる中島飛行機(富士重工業の前進)製・栄エンジンと、水平対向エンジンが初めて搭載された、スバル1000、そして最新ボクサーエンジンを搭載した新型インプレッサ スポーツ(プロトタイプ)が展示された。
航空機メーカーをルーツに持つだけに、機能の本質を追求することがスバルのDNAとなっており、しっかりとした走りと安全性を追求することをクルマの本質ととらえ、初の乗用車スバル360、技術的に合理的なレイアウトとして、初のボクサーエンジンを積むスバル1000が開発された。現在、ボクサーは第3世台まで進化(第2世代も現在生産中)した。ボクサーエンジン以外でも〝本質を追求する技術〟として、シンメトリカルAWD、アイサイトが同社のコア技術となっている。
そして本年、新しいスバルグローバルプラットフォームを発表。新型インプレッサから順次導入され、新次元の安心と楽しさをグローバルレベルに高める新しい挑戦が始まった。
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