輸入車ブランドを中心に最新モデルの発表も オートモビル カウンシル2016
osaki
オートモビル カウンシル2016の会場では、ボルボ、アバルト、マクラーレンといった輸入車ブランドを中心に最新モデルの発表、日本初公開が行なわれた。
■ダウンサイズでも過去最強エンジン ボルボ・S60/V60ポールスター
ボルボカージャパンは、新エンジンを搭載したS60/V60ポールスターを、限定100台発売すると発表した。

新型車は従来の直列6気筒3・0㍑エンジンから直列4気筒2・0㍑にダウンサイズされながら、これまでで最強となる367PSを発揮し、時速0~100㎞加速4・7秒(S60ポールスター)というハイパフォーマンスを実現。シャシーやエンジンには、今年から世界ツーリングカー選手権に参戦している「S60ポールスターTC1レーシングカー」のテクノロジーが惜しみなく投入され、四季を通じて日常的にドライビングを楽しめるコンプリートモデルになっている。
新エンジンはターボチャージャーの大型化、スーパーチャージャーの強化、コンロッドとカムシャフトの見直し、エアインテークの大型化、および燃料ポンプの大容量化といった変更を加え、エンジン性能を向上させた。

さらに、ボルグワーナー社の4WDシステムと、新たにスポーツプラスモードを採用し、高い次元でスポーツドライビングを実現するパドルシフト付8速AT、専用にチューニングされた電動パワーステアリング、新採用の371㎜のスロット付フロントブレーキディスク、ブレンボ製6ポッドキャリパー、オーリンズ製DFVダンパーなどを採用。ドライビングダイナミクスの強化が図られた。
加えて、昨年型のポールスターに対し、最新モデルは車両重量の削減も実現。新パワートレーンの採用により、前輪まわりを中心に軽量化が計られた。この重量配分の最適化は、ハンドリング性能を大きく向上させることに貢献。また、燃費性能においても、最大27%燃料消費率の改善を果たしている。
【希望小売価格】S60/V60ポールスター=839万円/859万円
■クラシックボルボのためのワークショップを開設

限定車とあわせて、クラシックボルボのための専用ワークショップ「クラシックガレージ」の開設も発表された。

この施設はクラシックモデルのエンジン整備、ボディペイント、一般修理、定期点検、車検などを実施。ボルボ・カーズ東名横浜に併設され、さまざまなニーズに応える専属のスタッフを配置する。

自身もP1800のクラッシクモデルを所有する木村隆之社長は「もっとこのブランドを好きになってもらうため、ボルボファンを新しく創造するためのきっかけになると考えている」と、ワークショップ開設の背景を語った。
■アバルト初のオープン2シーター アバルト・124スパイダー
FCAジャパンは、バルトブランド初となるオープンスポーツ2シーター、アバルト124スパイダーを発表した(発売は10月8日から)。

このモデルは、ハイパフォーマンスチューニングとレースの勝利で示されたアバルトのDNAを継承したモデルであり、マツダ・ロードスターの構造をもとにデザイン、パワートレーン、室内装備・素材、サスペンション、ステアリングフィールはFCAが開発。生産はマツダ本社工場で行なわれる、インポートブランドでも〝国産〟となるスポーツモデルだ。

卓越した運動性能を発揮するため、エンジンは前輪車軸より後方に配置したフロントミッドシップのレイアウトとし、前後50:50の重量配分を実現。さらに機械式のセフルロッキングディファレンシャルを標準装備することで、機敏で優れたドライブフィールを実現させた。
レース経験を活かし、1g単位で贅肉を削り取る軽量化が実施され、車両重量は1130㎏(6MT、6ATは1150㎏)に抑えられ、この結果パワーウェイトレシオは、クラストップの6・2㎏/馬力を達成した。

パワーユニットは直列4気筒1・4㍑マルチエアターボエンジンで、最高出力170PS、最大トルク250Nmを発揮し、時速0~100㎞加速は6・8秒(欧州仕様)を実現。ミッションは6速MTと6速ATの2タイプを持ち、MTはストロクーの短いダイレクトなレバー操作により、素早く正確なシフトを可能としている。
一方では、電子制御による最新のアクティブセーフティ装備や機能も備えており、サーキット走行時にはスポーツカーならではの感覚が常に得られるよう、電子制御の介入をドライバーが限定できるようになっており、FRスポーツカーらしいバランスと、リニアなエンジンレスポンスを味わうことができる。

エクステリアデザインは、ロングノーズによりハイパワーを強調するとともに、本ネットのふくらみは縦置きエンジンであることを主張し、オリジナル124を彷彿させる部分でもある。また、パッセンジャーコンパートメントを後輪車軸近くまで後退させることで、ドライバーが路面状態をしっかり感じられるようにした。リヤエンドにも二つの特徴があり、一つがリヤフェンダーとリヤバンパーを継ぎ合わせた部分で、もう一つが横長のリヤライト。ここもオリジナルの124の特徴を引き継いだ部分だ。

FCAアバルトデザインヘッドのルーベン・ワインバーグ氏が新型車の特徴を紹介し、レーシングカーの感覚を日常でも味わえること、クラフトマンシップが「アバルトの価値」と説明した。
【希望小売価格】388万8000円(6MT)▽399万6000円(6AT)
■ロングドライブに特化したラグジュアリースーパースポーツ マクラーレン・570GT
マクラーレン・オートモーティブは、3月のジュネーブモーターショーで世界初公開した「570GT」を日本で初公開した。

新型車はF1で培った技術と知識が投入された、マクラーレンのスポーツシリーズファミリーにあり、570Sクーペと540Cクーペに続く第3弾モデル。オンロード志向の高いモデルとして、日常での使いやすさや長距離移動の快適性にフォーカスしたデザインを採り入れ、完全手作業によって11日間をかけて完成させる。


インテリアは、標準装備の固定式ガラスパノラミックルーフ、リヤの大型ガラスハッチまで続く大胆なグラスハウスデザインが、明るく開放的な雰囲気を演出し、マクラーレンモデルのなかでもっともラグジュアリーでリラックスした空間を創出した。

また、フロントのラゲッジスペースは、570Sクーペと同じ150㍑となるが、シート後方に設けられたレザー張りのツーリングデッキに220㍑分のスペースを設定。合計370㍑のスペースを確保し、小旅行の荷物にも対応する。
エンジンは、V型8気筒3・8㍑ツインターボを搭載し、最高出力570PS、最大トルク600Nmを発揮。シャシーには570Sクーペでもされた「モノセルⅡ」によって乾燥重量(=燃料、冷却水等を除いた自重)は1350㎏を実現し、これによって時速0~100㎞加速3・4秒、最高時速は328㎞という圧倒的なパフォーマンスがもたらされた。
さらに、ノーマル、スポーツ、トラックの設定を、7速シームレスシフトトランスミッションを通じてリヤホイールに伝えられる出力を選択することで、スポーツカーの中でも屈指のドライビングエクスペリエンスとクルマとの一体感が得られるとしている。

570GTについて同社アジア太平洋地域のジョージ・ビッグスマネージングディレクターは「最も快適性を大事しながら、マクラーレンのDNAを併せもつモデル」と紹介した。
【希望小売価格】2752万7000円
週刊Car&レジャーについてはこちら→http://www.car-l.co.jp/
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