BMWグループ、トヨタとの協業により燃料電池車を2020年の市場導入を目標に開発
osaki
BMWグループの新技術研究本部でパワートレーンを研究する、マティアス・クリーツ執行役員が来日、都内でBMWの燃料電池車の開発状況や背景を紹介した。
BMWにおける燃料電池車の開発目標は航続可能距離が500㎞以上であり、BMWらしい俊敏でダイナミックな走行性能を持ち、電気自動車並みにコストを削減すること。このコスト削減が最も大きなチャレンジであり、顧客分析では価格の1割上昇は容認しているという。また、BMWグループはトヨタとの協業により、2020年の市場導入のため燃料電池コンポートントを開発している。
開発を推進させる環境として、ドイツ国内には気候保護計画があり、脱炭素化社会への手順を示されている。2050年までにすべての運輸システムは化石燃料に依存しないことと記されている。そのため、従来からの内燃機関は効率を向上させるため電気駆動システムに補われ(ハイブリッド)、余分な電力は水素または合成燃料の生産に使用される。さらに、17年初にはクルマの温室効果ガスの排出目標を定めた法案が制定される。
セロエミッション(排出ガスゼロ)車には、バッテリー式電気自動車(BEV)と、燃料電式電気自動車(FCEV)があり、それぞれに特徴がある。FCEVは大型に適しており長距離運転に理想的だ。BMWでは高圧水素タンクと液化水素タンクという二つのタンクシステムで試験を行なっている。顧客に可能な限りの長距離移動してもらうためだという。
長期的には、車両開発とともに水素エネルギーシステムと水素インフラを確立することで業界スタンダードの構築を目指していく。
一方、燃料電池技術は、技術的に市場投入への準備は完了しているとしながらも、インフラの設置と高い導入コストが課題となっている。政府、業界、エネルギー団体などとの協力が必要であることはドイツも、日本も同じだ。
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