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2017/01/01

トヨタ、小型バス「コースター」を24年ぶりのフルモデルチェンジ

osaki
カーアンドレジャーニュース

 トヨタ自動車は、小型バス「コースター」を24年ぶりにフルモデルチェンジし、1月23日に発売すると発表した。新型車は、環状骨格によるボディ剛性の向上やVSCを日本でクラス初採用するなど、すぐれた安全性を確保。このほかにも、快適性・信頼性・デザインを大幅に刷新し、次世代の小型バスにふさわしい性能とスタイルを実現した。

 エクステリアは「モダン&タフ」をテーマに、ルーフサイドに面取りを効かせ、シンプルでありながら目を引くデザインとした。スクエアなボディシルエットで室内の広さを表現。サイドを上下分割したキャラクターラインとタイヤまわりを強調したアンダーボディで、キャビンをしっかり支える頑丈なボディを表現している。

■世界的な安全評価基準に適合する高剛性ボディを導入
 ボディは、ルーフ、側面、フロアの骨格を繋ぎ、一体化することで強度を高める環状骨格に一新。さらに、高張力鋼板の採用や、助手席とリヤシートの間にピラー(助手席側)に設定することで、ボディの強度・剛性の向上、軽量化が図られた。

 これにより、バスのボディ強度の世界的な安全評価基準、国連の規定条約「ECE基準R-66(ロールオーバー性能)」に適合した。万が一車両がロールオーバー(横転)した際にも客室空間の確保に配慮するなど、さまざまな対策が施されている。

 また、日本でクラス初採用となるVSC(車両安定制御システム)とTRC(トラクションコントロール)を全車標準装備。急なハンドル操作や滑りやすい路面での発進・加速コーナリング時や横滑りなどを抑制し、車両走行時の安定性を確保した。さらに、運転席と助手席にSRSエアバッグを標準装備したほか、シートベルトにはプリテンショナー機構や、フォースリミッター機構を採用するなど、安全装備も充実させた。

■上質で使い勝手が高い室内空間
 運転席周辺は、フロントガラス開口部を広げ視界が拡大したほか、計器類各機能をドライバー側に傾け、手の届く範囲に集中配置。視線の動きを最小限にとどめることで、運転操作に集中できる環境を整えた。また、カップホルダーやドライバーの必需品の収納、停車中はタブレット端末なども立てられる多機能センタートレイ、スマートフォン対応のアクセサリーソケットなども追加されている。

 客室は車両の全幅と全高の拡大によって、室内高を先代から60㎜、窓側は肘が置ける程度(約40㎜)外側へ拡大。また、サイドウィンドウの上下高を50㎜広げるなど、開放感と快適な乗員スペースを提供する。助手席とリヤシートには、身体全体を受け止められるよう、背もたれとヘッドレストを一体化したハイバックシートを採用。肩周辺にゆとりをもたせたシートバック、座り心地にこだわった座面など、快適さへの機能とデザインが追求された。とくに、EXにはトリコットと合皮のコンビネーションによって上質感を演出したシート表皮を採用するとともに、フィット感にすぐれた低反発クッションを座面に使用している。

 このほか、ドアステップの奥行きを65㎜拡大して乗降性を向上。ルームラックは室内天井面とラックとの高さを60mm拡大して収納性を向上するとともに、140㎜外側へ配置移動したことで、乗客の着座性を改善した。さらに、UVカットガラスガラスを採用するなど、快適性を高める配慮もなされている。

■常に安定した乗り心地とフットワークを実現
 走行性能では、環状骨格化によるボディ剛性の向上、エンジンカバーの構造変更、ボディシール構造の強化、防音材を最適配置などにより、静粛性を改善。足まわりは、前輪に左右の車輪が独立して路面を捉え、衝撃を吸収するダブルウィッシュボーン独立縣架を採用。スタビライザーを前後に装備するとともに、ショックアブソーバーの減衰力を最適化。ボディ剛性の向上とあわせてフラットな乗り心地を実現させている。

 パワーユニットは、スペックの異なる2種類の直列4気筒4・0㍑ディーゼルターボ(最高出力180PS/150PS、最大トルク461Nm/420Nm)を設定。これに6速AT/5速MTを組み合わせる。
 コースターは、25人程度の乗員が快適に乗ることができる小型バス需要の高まりを受け、1963年にライトバスとして誕生。69年のモデルチェンジを機にコースターと改称し、50年以上乗り継がれている。また、世界のさまざまな地域で人の移動を支え、現在では110以上の国や地域で販売され、累計販売台数は55万台を超え、日本でも飲食店やホテル、幼稚園の送迎などで活躍している。

 なお、この新型車は16年4月に発足した商用車、ミニバン、SUVなどの開発から生産を行なうCVカンパニーが担当した初のフルモデルチェンジ車である。

 【希望小売価格】
 LX=594万円~723万600円▽GX=650万1600円~781万3800円▽EX=815万9400円~887万2200円▽幼児専用車=581万400円~673万3800円▽ビッグバン=619万3800円~677万1600円

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