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2017/12/12

アウディ、自動運転実現に向けたAIへの新しいアプローチを公表

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 アウディは、人工知能に関するシンポジウム(NIPS。ロングビーチ、~12月9日)で、自動運転実現に向け単眼カメラとAIを使い、クルマの周囲の極めて精密な3D環境モデルを構築する新たなアプローチを発表した。

 新型A8は世界で初めて、SAE基準のレベル3の条件付き自動運転を可能にしたモデル。搭載されるアウディAIトラフィックジャムパイロットは、国の法律によって認められ、運転者がこの機能を選択すれば、時速60㎞以下の渋滞走行時に運転操作を行う。この自動運転を実現するには、周囲環境の可能な限り精密なマッピングイメージが常に必要で、人工知能(AI)技術が必須となる。

 今回発表した新手法では、通常のフロントカメラをセンサーとして機能させる。このカメラは車両前方約120度の範囲を、解像度1・3メガピクセルの画像を1秒間に15枚撮影する。

 この画像をニューラルネットワーク(神経回路網)の中で演算処理。そこでは、ピクセル毎に13の対象にカテゴリー分けを行う「セマンティックセグメンテーション」という画像処理が実施される。それにより、他のクルマやトラック、家、道路標示、通行人、交通標識などの存在を認識し、見分けられる。

 また、同時にニューラルネットワークを、距離情報を得る目的でも活用する。ここでは、等距離を定義する仮想境界線であるISOラインを介し視覚化される。セマンティックセグメンテーションと、深さ(距離)を概算するこのプロセスの組み合わせにより、現実環境のより正確な3Dモデルを生み出すことが可能になる。

 アウディの技術者はこれまで〝unsupervised learning(教師なし学習)〟という方式で、ニューラルネットワークのトレーニングを行ってきた。〝教師あり〟に比べ教師なし学習は、事前の分類・カテゴリー分けを必要とせず、周囲の状況およびシナリオを観察することで、学習を進めていく方法。ニューラルネットワークには、学習用にステレオカメラを使って記録された道路状況の映像が大量に送られ、ニューラルネットワークは単眼カメラの画像から3D情報を生成する際に使用するルールを独自に学習した。このプロジェクトは、交通状況の把握という面で、非常に大きな可能性を秘めている。

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