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2017/12/13

トヨタ、カリフォルニア州でバイオマスから水素・電気・水を生産、FC大型商用トラックの実証実験等に使用

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

 トヨタの北米事業体、トヨタモーターメリカ(TMNA)はこのほど、燃料電池発電事業を手がけるフューエルセルエナジー(FE)社とともに、アメリカ・カリフォルニア州ロングビーチ港で、燃料となる水素を生み出し、2・35メガワットの発電が可能な燃料電池(FC)発電所と水素ステーションを併設する「Tri-Gen(トライジェン)」を建設すると発表した。

 トライジェンでは、同州の畜産場の家畜排せつ物や汚泥等の廃棄物系バイオマスから水素を取り出し「溶融炭酸塩型燃料電池」を用いて発電を行うことで、FC発電で排出される水も含め、再生可能エネルギーから水素・電気・水を生み出す。建設は2018年より開始し、2020年頃の稼働開始を予定している。

 トライジェンは、これまでFE社が、米国エネルギー省、カリフォルニア州大気資源局、同州の南部沿岸大気品質管理区などの公的機関や、核となる燃料電池関連技術の研究を行うカリフォルニア大学アーバイン校とともに、取り組みを進めてきた。

(実証実験中の燃料電池自動車大型商用トラック)

 今回、トヨタとFE社が協力し、トライジェンの商用化に向けて、水素・電気・水を効率的に利用する仕組みの確立を目指す。

 トライジェンで1日に発電する電力量(約2・35メガワットアワー)は、アメリカの一般家庭約2350世帯分の1日当たりエネルギー消費量に相当し、製造する水素約1・2tは燃料電池自動車約1500台の1日当たり平均走行距離に必要な充填量に相当する。

 電力の一部と水は、北米でトヨタの物流事業を担うトヨタロジスティックサービスのロングビーチ拠点に供給される。ここは、北米において、再生可能エネルギーの電力のみを使用するトヨタ初の施設となる。

 水素は、併設する水素ステーションなどを通じて、日本からロングビーチ港に輸送される、新車配送前の燃料電池自動車のミライや、本年10月より同港湾エリアで実証実験中のFC大型商用トラックなどの燃料充填に使用する。

 水素ステーションを併設するメガワット規模のFC発電施設は、世界初の取り組みとなる。

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