ビー・エム・ダブリューは９月25日、８年ぶりにフルモデルチェンジした「ミニ　クラブマン」を発表し、同日から受注を開始した（発売は11月７日から）。一目でミニとわかるデザインを踏襲しながら、エクステリアとインテリアにクロームパーツを多用し上質感を演出。さらに、ボディサイズを一回り大きくしたことにより、リヤシートを中心に室内空間のゆとりが生まれ、ラゲッジスペースも拡大し、快適性と利便性を高めたミニ随一のユーティリティモデルとなった。

クラブマンは、１９６９年にシューティングブレークのコンセプトを持つ「ミニ・クラブマンエステート」として初代モデルが誕生。その特長であったリヤのスプリットドア（観音開き）を継承しつつ、２００７年にＢＭＷグループのミニとして初めてのクラブマンを導入した。この新型モデルは同グループとして２代目にあたり、ミニの母国であるイギリスの伝統に根ざした、シューティングブレークコンセプトを現代的に解釈したモデルだ。

●エクステリアを一新／機能性を高めたインテリア

エクステリアは、丸型のヘッドライト、六角形のラジエーターグリルや丸いフォグランプなどミニとしてのアイデンティティを踏襲しながら、先代に比べ全長を２９０㎜延ばし、全幅を１１５㎜拡大したボディからは安定感やゆとりが感じられるデザインとなった。クーパーには、クロームパーツをふんだんに採用し、上質感を演出している。

リヤには伝統のスプリットドアを採用し、水平方向に配置された特長的なテールランプで個性を主張。また、リヤバンパーの下で足を軽く動かすだけで自動的にバックドアが開き、両手に荷物を抱えていてもバックドアが開けられる「コンフォート・アクセスシステム」がオプション設定された。

ミニファミリーの一員でもインテリアはクラブマン専用のデザインで、エクステリア同様にクロームパーツの採用やハイグロスブラック仕上げなどが高級感をもたらす。さらに、ボディサイズの拡大により、従来モデルに比べリヤシートを中心に室内空間が広くなり快適性が高められた。

ミニといえば、インテリアの随所に円形モチーフのデザインが散りばめられているのが特長だが、クラブマンのダッシュボードには楕円形に縁取った意匠を採用。従来のミニとは一線を画す新しいデザインにもチャレンジしている。

また、ＬＥＤイルミネーションを内蔵したドアトリムフィニッシャーが夜間走行時に室内に彩りを与えるほか、ドライバー側のドアミラーに内蔵されたＬＥＤ照明が、ミニのロゴを地面に照射する「ロゴ・プロジェクション」など、ミニらしい遊び心にあふれたユニークな仕掛けも用意された。

居住性や機能性もモデルチェンジで大幅に向上。ホイールベースを先代から75㎜延長させ２６７０㎜としたことで、ゆとりのある空間を確保し、従来にはなかったリヤシート用のエアコンも標準装備された。60：40の分割可倒式リヤシートに加え、40：20：40分割可倒式リヤシートもオプション設定される。ラゲージスペースは、フロアを２段階に調節できるストレージ・コンパートメントパッケージにより、荷室容量が最大１２５０㍑まで拡張可能となり、乗員や荷物によってフレキシブルに使うことができる。

●走行性能と環境性を備えた２種類のエンジンを設定

このたび導入されたのは、クーパーとクーパーＳの２グレード。それぞれ異なるパワートレーンを持つ。クーパーは直列３気筒１・５㍑ターボエンジン（最高出力１３６ＰＳ、最大トルク２２０Ｎｍ）に６速ＡＴを組み合わせ、ＪＣ08モード燃費17・１㎞／㍑をマークする。クーパーＳにはパワフルな直列４気筒２・０㍑ターボエンジン（最高出力１９２ＰＳ、最大トルク２８０Ｎｍ）が搭載され、ミニ初となる８速ＡＴを採用した。ワイドなギアレシオや変速時のエンジン回転数の少ない特性により、効率的で快適、かつスポーティな走行を味わえる。全グレードがエコカー減税の対象となり、自動車取得税が60％減税、自動車重量税が50％減税されるほか、自動車グリーン税制で翌年度の自動車税が75％減税される。

ドライビングの楽しさを引き出すミニドライビングモードも設定。ドライバーの好みに応じてシャシーのセッティングを選択できる。また、ダイナミックダンパーコントロール装着車は、スポーティな走りと快適性を高次元で両立する。

空力性能向上も図られた。フロントのフォグランプ横から空気を取り入れるエアカーテンは、ホイール周辺の空気をカーテンのように覆うことで、回転するホイールによるエアロダイナミクスへの悪影響を抑制。さらに、フロントタイヤ後方から流入する空気を減少させるエアブリーザーが、ホイールハウスでの空気の乱れを低減させ、燃費性能の向上に寄与する。

【希望小売価格】

クーパー　クラブマン＝３４４万円▽クーパーＳ　クラブマン＝３８４万円