工学院大学、WSC2015準優勝
matsuguma
工学院大学は11月11日、今年10月に開催された世界最大級のソーラーカーレース「ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ2015(WSC2015)」の大会報告会を行なった。同校のソーラーカーチームは、クラス最速のタイムでゴールしたもののペナルティなどにより、オランダのチームEindhoven(アイントホーフェン)に総合点で競り負け、惜しくも準優勝となった。今回の経験と来年6月に発表されるレギュレーションを踏まえ、次回の優勝を目指す。
WSCは隔年で開催され、今大会は10月18日から25日まで、オーストラリアの砂漠地帯を縦断するダーウィン~アデレード間の公道3022㎞で争われた。参戦車両は3クラスに分かれ、同校は、2013年に新設されたクルーザークラスにエントリー。このクラスは、4輪で2人乗り以上の室内空間が求められ、コースの中間地点(アリススプリングス)ではコンセントからの充電が一度だけ認められている。そのため、このクラスの車両は広い室内空間や充電装備を搭載するなど、従来のソーラーカーよりも一般の自動車に近く、より高い技術が求められる。
工学院チームは、2014年に決定されたレギュレーションを基に配点割合の7割を占める“スピード”を重視。配点割合の低い“搭乗者数”の得点を捨て、1名のみ乗車し、スピードで差をつける戦略を採用した。しかし、レース開始2日前にレギュレーションが変更され、スタート地点からアリススプリングスまでを第1ステージ、アリススプリングスからゴール地点までを第2ステージとした2部構成でレースが行なわれることになった。
大規模なレギュレーション変更で戸惑いながらも第1ステージが始まると、同チームは22番手スタートから13チームを抜き、クルーザークラス1位でゴール。スピード重視の戦略通り巡航速度100㎞/hという圧倒的な速さをみせつけ、2位に44分の大差をつけた。続いて、第2ステージでも2位以下との差を広げる予定だったが、オフィシャルから走行中の車体のふらつきを理由に突然のペナルティを宣告され、時速70㎞以下での走行を余儀なくされた。しかし、このペナルティはレギュレーションに記載がなく、納得できなかったチームは走行中の車両をビデオで撮影し、車両に異常がないことを証明。再三にわたる講義の末、速度制限は解除された。しかしながら、低速走行4時間40分、停車20分におよんだペナルティで2位との差は1分まで縮まる結果となった。
ペナルティ解除後は、一般車両の法定速度制限110㎞/hで走行。結果、第2ステージは2位に48分差をつけてトップでゴールした。第1、第2ステージと快走した工学院チームだったが、途中のペナルティの影響も大きくスピードの点数が伸び悩み、総合では準優勝という結果に終わった。
工学院ソーラーカーチームのキャプテン大原聡晃さんは「第1、第2ステージともに最速でゴールでき、準優勝という成果に感無量です。また、今後に向けチームの強化を図るため今回参戦したチームの半分は下級生を起用。これからも勝利にこだわり継続していく所存です」と今後の意気込みを語った。
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