トヨタ車体ダカールラリー2017参戦体制を発表、ワンツーフィニッシュで市販車部門4連覇を目指す
matsuguma
トヨタ車体は11月17日、「ダカールラリー2017」の参戦体制を発表した。チーム史上初となる社員ドライバーとして前回大会に参戦し完走した三浦昴(トヨタ車体・広報室)を引き続き2号車のドライバーに起用。1号車のドライバーには、過去にダカールラリーで総合順位トップ10の実績を持つクリスチャン・ラヴィエルを迎え、新体制で市販部門4連覇を目指す。
トヨタ車体は、トヨタ自動車とともに開発・生産するランドクルーザーをベースとしたラリーカーで、1995年から一貫してダカールラリーの市販車部門(ディーゼル部門)に参戦(1995年~2004年はアラコとして参戦)。2005年大会から6連覇、2014年大会からは3連覇を達成している。
発表会で挨拶した増井敬二社長はダカールラリーに挑戦し続ける意義として「悪路での走破性・信頼性を世界に示す、ラリー活動を通じた人材育成、ラリーファンの獲得」という3点を挙げた。また、休止状態にあった社員ナビゲーター育成プログラムを復活。「ゆくゆくは社員ドライバーと社員ナビゲーターで優勝という夢を実現させたい」と語った。
参戦体制はチーム名を「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)」とし、トヨタ車体・林正敏常務役員がチーム代表を、元ハンドボール全日本代表という異色の経歴を持ちながらチームを市販車部門3連覇に導いた角谷裕司監督(同社・広報室)が指揮を執る。1号車はクリスチャン・ラヴィエル/ギャルサン・ジャン・ピエール、2号車は三浦昂/リシトロイシター・ローランのコンビ。メーカー、販売店から派遣される日本人3名を含めたエンジニア、メカニック計20名体制で4連覇を目指す。
(1号車のラヴィエル/ジャン・ピエール(写真右側)と2号車の三浦/ローランのコンビ)
ダカールラリーに向け例年行なっているモロッコの砂丘でのテストとラリー参戦に加え、新たにモスクワ~北京約1万㎞を横断するシルクウェイラリーにも参戦し、実戦でのテストを積み重ねてきた。コーポレートカラーのブルーを基調とした2台の参戦車両は、さらなる軽量化と改造が許されるサスペンションを強化。新しく導入したサスペンションは、ジャンプ着地後の衝撃をしっかりと吸収できるようになり、三浦は「アクセルをすぐに踏み込めるようになってタイムラグがなくなった」と効果を実感「今回は表彰台を目標にワンツーフィニッシュを実現したい」と抱負を力強く述べた。
■標高4000mを超える高地での過酷な戦い
39回目を迎えるダカールラリー2017は、1月2日にパラグアイの首都アスンシオンをスタートし、アルゼンチン、ボリビアを経て再びアルゼンチンに戻り1月14日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでゴールという戦い。今大会もハイスピードコースや砂丘コースなどが設定され、選手に気を休める間を与えない厳しい戦いになることが予想される。
また、TLCは、2007年大会からバイオディーゼル燃料(BDF)を100%使用。同社のラリー活動賛同企業や近隣小中学校、同社社員から廃食油が提供され、デンソーが開発した藻油を加え、太田油脂(愛知・岡崎市)の協力により競技に必要な量のBDFを精製している。これによって総走行距離を軽油で走行する場合に比べて、CO2排出量を約60%軽減することを可能としている。
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