日産、完成検査の調査結果と再発防止策を発表
matsuguma
日産は11月17日、車両製作工場の完成検査において不適切な取扱いが行われた問題について、同社の西川廣人社長とCCO山内康裕氏が出席し、調査結果と再発防止策を発表した。
調査を依頼された第3の外部機関と社内調査によると、オートワークス京都を除く車両5工場(追浜、栃木、日産自動車九州、日産車体湘南、日産車体九州)で、テスター検査と呼ばれる工程に関して、完成検査員ではない無資格者の補助検査員が完成検査を行うことが常態化。補助検査員は、貸与された完成検査員の印鑑(完検印)を完成検査表に押印していた。
複数の車両工場では、この完検印の貸し出しを管理する貸出帳簿を作成し、検印の貸し借りが管理されていたほか、工長や指導検査員が完検印の予備印を購入し、補助検査員に貸与していた事例も報告された。
こうした問題は、1990年代にはすでに常態化し、栃木工場では1979年から実施されていた可能性があることも判明した。
また、9月18日の国土交通省による日産車体湘南工場への立ち入り検査で指摘された完成検査工程の不適切な取扱いについて、9月20日までに再発防止策を講じたが、その後も日産車体湘南、追浜工場、栃木工場、日産自動車九州、日産車体九州で完成検査員に任命されていない補助検査員や作業員らによって完成検査の一部が継続して行われていた。
日産車体湘南では、「ハンドル切角」検査、追浜工場は「エアバック」等の検査、栃木工場は「盗難発生警報装置」「車室外乗降支援灯」「ドアロックストライカー」検査、日産自動車九州は「タイヤ」、「スプリング」、「走行用前照灯自動制御装置」検査、完成検査員に任命されていない補助検査員や作業員らが実施していたことが明らかになった。
西川社長は、こうした問題について「皆様からのご信頼を裏切る結果になり、改めて深くお詫び申し上げたいと思います。当社は、国に代わって完成検査業務を実施しております。今回の件は、その義務を怠っていたことで国土交通省の信頼を損なうことになった、大変重大な事態だと受け止めております。当社は、しっかりと安全確保を第一に、法令順守の推進と今回決定した対策の確実な実施を進め、皆様の信頼回復に全社一丸となって尽くしてまいる所存です」とコメントした。
同社は、再発防止策として完成検査員の任命基準の見直しをはじめ、検査員の増員、教育基準の強化、完成検査の運用・管理の改善、完成検査ラインの構成およびオペレーションの修正等に取り組み、問題の根絶を目指す。
また、確実な完成検査を実施するため、完成検査員の習熟度を上げ、人員体制の充実を図るまでの間、生産工程のラインスピードを通常速度よりも落として対処するとしている。
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