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2018/08/03

日本ミシュランタイヤ、リトレッドタイヤの生産工程を公開!

matsuguma
カーアンドレジャーニュース

日本ミシュランタイヤは7月26日、ミシュランXワンシリーズのリトレッドタイヤの販売に先駆け、報道陣を対象にリトレッドタイヤの製造工程を公開した。

現在、輸送業界はEコマース市場の急成長により物流量の増加に加え、再配達問題や荷待ち問題といった輸送効率の悪化が深刻化している。
そこで同社は、リデュース、リユース、リサイクルの頭文字をとった「ミシュラン3R」を訴求している。これは、タイヤ経費を削減するロングライフ性能をはじめ、溝を掘り直してタイヤ寿命を延ばすリグルーブ、そしてケーシングを再利用するリトレッド、の3点で輸送業界の経費削減と環境保全に貢献する。

 

(タイヤの溝に高温になる刃を入れ、掘り直してタイヤ寿命を延ばす「リグルーブ」)

同社のリトレッドタイヤは、株式会社髙瀬商会の関連会社トーヨーリトレッドが生産を担当。トーヨーリトレッドは、生産技術、品質管理能力の高さから14年2月に世界で初めてミシュランの自社工場レベルと認定されている。

視察会では、リトレッドタイヤの生産工程が公開された。工程は大きく分けて、①タイヤの内外の傷を確認する検査、②新たなトレッド面を張り付けるためのバフがけ、③傷の修理、④トレッド面を接着させる加硫工程、⑤最終検査の順。

まず作業は、工場の周囲に数多く積み上げられた摩耗タイヤの洗浄・乾燥作業から始まる。超音波ウルトラソニックや電流を用いて貫通傷や部材間の剥離をチェック。最後は職人による目と触診で全ての部位の傷や変形を確認する。

次にトレッド面をサイズ・パターンに応じてコンピューター制御でバフがけ(写真右上)。この後に貫通傷にはプラグを埋めたり、パッチを貼って修理する。削ったゴムの表面には加硫用のセメントを塗りつけ、酸化を防いでいた。

そして張り付けるトレッドを準備する。一度、台の上で伸ばしてから溶剤を塗り直し、ケーシングに張り付ける。この際、トレッドの長さをカットで調節して継ぎ目のブロック形状に合わせる高度な技術が必要になる。

 

(Xワンのトレッドと11R22・5サイズのトレッド幅の比較(左)、ケーシングへトレッド面を張り付ける)

トレッド部を張り付けると、エンベロープと呼ばれるゴム袋で包み加硫機に投入する。なお、製法は低温で長時間加硫するプレキュア方式を採用。ケーシングへのダメージが少なくタイヤの耐久性を確保できるという。
加硫を終えたタイヤは、高圧検査と目視による最終検査を経て、温かいうちに専用塗料を塗られてリトレッドタイヤが完成する。

(加硫機からエンベロープに包まれたタイヤを取り出した様子)

今後も需要の拡大が見込まれるリトレッドタイヤだが、その生産には高い技術力が求められる。低コストかつ安心して使えるタイヤは、ミシュランの最新テクノロジーがあってのこと。それを実感できた見学会であった。

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